タイトル |
鉢物・花壇苗等の植替えのロボット化 |
担当機関 |
群馬県農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
鉢物・花壇苗等の植替え作業の大幅な省力化、高精度化を図るため、産業用ロボットの植替えハンドを開発した。本ロボットハンドには、シリコン樹脂チューブを膨張させて苗を把持する植付けピンが取り付けられており、これと空気圧を利用す吹上げ装置とを組み合わせることで、苗を安定して植え替えることができ、作業能率も高い。
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背景・ねらい |
鉢物・花壇苗等のセル成型トレイから移植鉢への植替え作業は、苗や根鉢を傷めることなく抜き取り、植え付ける必要があるため、人力作業に依存している。加えて、単調な繰返し作業が長時間続くことから、その機械化・省力化が要望されている。そこで、産業用ロボットによる大幅な省力苗生産システムを構築するため、高精度な鉢物・花壇苗用植替えハンドを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本植替えシステムの装置として、ロボット本体(垂直多関節型、6軸)、植替え用ハンド(膨張チューブ付き植付けピン)、セル苗供給装置(空気圧苗吹上げ方式)、移植鉢搬送用コンベアライン等から構成されており、これらはロボットコントローラとネットワークで結ばれている(図1)。
- 植替え用ハンドは、植付けピン(ピン数:4本)、ピン間隔調整装置(苗抜取り時18mm、苗放出時65mm)からなる(図2)。植替えは、セル苗への植付けピンの挿込み、空気圧によるセル苗吹上げを特徴とするが、ハンド移動中の苗落下防止に、ピン中間が空気圧で膨張するシリコン樹脂チューブ(拡張時外径7mm)で苗把持を安定させる(図3)。
- セル成型トレイから移植鉢への植替え時間は苗4本当たり9.6秒、鉢搬送用苗箱(2.5号ポリ鉢32鉢分)当たりでは76秒である(表1)。植替え精度は、育苗日数が増し根鉢が形成されるほど抜取り・植付けは良好になる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本植替えシステムは、既に開発したロボット播種技術(平成3年度研究成果情報)と組み合わせることで、機械利用率の高い苗生産システムの構築が可能になる。
- トレイのセル間(培養土表面)で根絡みを生じると、植替え精度に影響を与えることから、培養土量はトレイ上面が僅かに見える程度とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
育苗
機械化
省力化
播種
ロボット
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