タイトル |
根深ネギの機械移植技術 |
担当機関 |
静岡県農業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
たまねぎ移植技術を改良して開発された根深ネギの移植機を用いて、セル成型育苗の根深ネギを機械移植できる技術を開発した。移植機の作業精度は高く、作業能率は慣行手移植の50倍程度である。
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背景・ねらい |
根深ネギ栽培において、育苗から移植までに要する労働時間は長く、つらい姿勢の移植作業の改善が望まれている。そこで移植作業を機械化し、省力化を図るとともに、併せて機械移植に適した育苗法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 供試した市販の根深ネギ移植機(Mi社製OP-2100)は4条植えたまねぎ移植機を2条植えに改良し条間を広げたもので、育苗トレイをセットするだけで連統448セルの2条植えが可能である(写真1)。
- 育苗は専用の育苗トレイを用いて育苗する。育苗トレイの寸法は619mm×315mmで直径16mmのセルが448個ついており、1つのセル当り3粒のコート種子を播種する。
- 育苗中はトレイを地床にべたおきにするため、乾燥しにくく、水管理等が容易である。
- 移植の前処理として、移植前に育苗トレイをほ場からはがし、機械適性を高めるための凝固剤処理を行い草丈を20cm程度に切断する。処理に要する作業時間は慣行の苗取り時間と同程度である。(表1)
- 移植機の作業能率は10a当り59分で、慣行手移植の50倍程度の能率である。苗の準備と合わせた作業時間は10a当り 4時間42分であり、慣行手移植の 1/10以下の作業時間である。(表1)
- 移植機の作業精度は、欠株率は 5%以下で、苗の植え付け姿勢も良好である(表2)。
- 機械移植と慣行手移植とでは、その後の生育や品質・収量に差はない (表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- セル内での自根による根鉢ができにくいため、移植の前処理として根鉢を固める凝固剤を使用する。培養土を良く乾燥させた苗をトレイごと凝固剤に浸漬させる。
- 移植前に草丈を20cm程度に切断するのは、苗が移植機の各部に接触して植え付け姿勢が悪くなるのを防ぐためで、切断による生育への影響は軽微であり、品質・収量は慣行と差がない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育苗
乾燥
機械化
省力化
たまねぎ
ねぎ
播種
水管理
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