タイトル |
野菜用乗用管理機利用によるキャベツ収穫技術 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1994~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
野菜用乗用管理機の前端に取付けられた椅子に腰掛けてキャベツを切りとり、その側面に設置されたコンベアで後方の箱詰め作業者に搬送することによって、玉切りから選別・箱詰めまで行う省力・低コストなキャベツ収穫技術を開発した。これにより、10アール当たり6~9時間で、キャベツを傷付けることなく収穫できるようになった。
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背景・ねらい |
キャベツ等の重量野菜収穫機の機械化は深刻化する一方の労働力不足を解消 する決め手として期待されているが、機械では手切りに匹敵する玉切り精度を出せないことが最大の障害となって機械化が進まないために、農家は依然として人力手作業による過酷な収穫作業を強いられている。そこで、軽労化・省力化を第一優先とし、手切りの確実さをうまく取り入れた半自動収穫機を考えることによって、問題の早期解決を図ろうとした。
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成果の内容・特徴 |
- 野菜用乗用管理機を利用して、キャベツを軽労、かつ、能率的に収穫できる機械収穫技術を開発した(図1)。
- 収穫作業は、機体前方のサドルに腰掛けてキャベツを切りとる者と機体後方で選別・箱詰めする者の、最低2名の組作業によって進められる。切りとられたキャベツは機体側方のベルトコンベアにより後方作業者の手元に搬送される。後方作業者は野菜用乗用管理機に連結された運搬台車上に立ち、搬送されてくるキャベツの良否や大きさを判断し、階級別に段ボールに箱詰めしていく。
- 前方作業者は右側にオフセットして座り、右車輪の外側にある畝から数えて2~3条を同時に収穫していく。これにより、走行車輪によるキャベツ損傷を回避できる。
- 野菜用乗用管理機は、エンジン回転数をアイドリング状態にまで下げ、約7cm/秒の速度で走行させるが、このときの走行操作はサドル横のハンドル操作レバーと発進・停止ボタン(図1右上)とにより、前方作業者が行う。これにより運転席を作業スペースとして利用できるばかりでなく、前方作業者にあった玉切り速度と安全性が確保される。
- 以上により、キャベツを2.5~4.1秒に1個の割合で安定して収穫でき、10アール当たりの作業時間は6~9時間と見積もられた。
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成果の活用面・留意点 |
- 本収穫技術は人力手作業の品質が求められる場面で特に効果が高い。
- レタス等の結球・非結球野菜にも適用できる可能性がある。
- 本機は微速状態で作業するので作業中に危険を感じることはないが、サドルに腰掛けての移動走行や、急な下り斜面での作業はしてはならない。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
機械化
キャベツ
軽労化
収穫機
重量野菜
省力化
低コスト
レタス
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