肥育牛の肉質に及ぼす屋内及び屋外飼養の影響

タイトル 肥育牛の肉質に及ぼす屋内及び屋外飼養の影響
担当機関 群馬県畜産試験場
研究期間 1995~1997
研究担当者
発行年度 1996
要約 黒毛和種去勢牛を用いて、屋内、屋外の飼養環境の違いが肉質に及ぼす影響について検討したところ、仕上げまで屋外で飼養しても発育や肉質に差はなく、簡易屋外施設を利用したより低コストな牛肉生産が可能であることが示唆された。
背景・ねらい 肥育牛は暗いところで静かに飼養することが望ましいと経験的に言われており、仕上げまで屋外で飼養することにより肉色が悪くなる等、肉質への影響が懸念されている。
そこで、屋内、屋外の飼養環境の違いが肥育牛の発育、肉質等に及ぼす影響について比較検討した。
成果の内容・特徴 黒毛和種去勢牛11頭を用いて、出荷まで屋内で飼育する区を対照区として、出荷まで屋外で飼育する区(1区)と20ヶ月齢まで屋外で飼育後、出荷まで屋内で飼育する区(2区)の3区を設定し、屋内(ビニールハウス牛舎:24㎡)、屋外(簡易屋外施設:72㎡)で群飼育した場合の肥育牛の発育、肉質等に及ぼす影響について検討したところ以下のような成績が得られた。
  1. DGは、1区0.76kg、2区0.80kg、対照区0.70kgであった。(表1)
  2. 1日1頭あたりの濃厚飼料摂取量は、1区7.8kg、2区8.5kg、対照区7.6kgであり、2区で多い傾向を示した。
    また、1kg増体に要したTDN量は、1区8.7kg、2区8.5kg、対照区9.1kgであった。(表2)
  3. 枝肉成績は、肉質等級が1区3.8、2区3.7、対照区3.3であり、対照区でやや劣る傾向にあった。
    また、1区で皮下脂肪が有意に厚かった。(表3)
  4. 胸最長筋の理化学分析の結果、pH、水分、脂肪含量および色調とも、区間による差は認められなかった。(表4)
    以上のことから、仕上げまで屋外で飼養しても肉質に差はなく、簡易屋外施設を利用したより低コストな牛肉生産が可能であることが示唆された。
成果の活用面・留意点
  1. 群飼育する場合には、牛同士の競合緩和策を講ずる必要がある。
  2. 簡易屋外施設で飼養する場合、暑熱時には、木立の利用や散水等の暑熱対策を講ずる必要がある。
図表1 215085-1.gif
図表2 215085-2.gif
図表3 215085-3.gif
図表4 215085-4.gif
カテゴリ 出荷調整 低コスト

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