| タイトル |
PCR法による牛胚の性判別 |
| 担当機関 |
埼玉県畜産試験場 |
| 研究期間 |
1994~1996 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1996 |
| 要約 |
牛胚をPCR法によって性判別した結果、性の判別率は92%であった。性判別胚移植の受胎率は、新鮮胚、凍結胚でそれぞれ66%、32%であった。また、性判別胚移植により29頭の産子が得られ、その性が判別結果と一致したのは97%であった。
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| 背景・ねらい |
雌雄を産み分けることができれば、需要に応じた性の子牛を計画的に生産することが可能になり、酪農・肉牛経営上のメリットは大きい。 そこで、近年開発されたPCR法(Polymerase Chain Reaction法)で性判別した牛胚を移植して、希望の性の産子を計画的に生産し、本技術の効果を実証呈示する。また、バイオプシー後の胚の生存率、性判別率に影響を与える要因等を調査する。
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| 成果の内容・特徴 |
- 性判別のために胚から少量のサンプル細胞を採取(バイオプシー)したところ、その後の胚の生存率(Bランク以上)は95.8%(298/311)であった。バイオプシー前のランクがAのものがBよりも生存率が高かった。(表1)
- PCRの試薬としてXYセレクター(伊藤ハム)を用いて性判別した結果、性判別率は91.6%(272/297)であった。(表2)
- 性判別率は変性細胞をサンプルとした場合に低く、正常細胞をサンプルとした場合はその細胞数に係わらず高かった。また、正常細胞をサンプルとすれば発育ステージによる性判別率に差はないと考えられた。(表3)
- 性判別胚移植の受胎率は、新鮮胚で65.7%(23/35)と良好であった。一方、1.8Mエチレングリコール(EG)、またはこれに0.1Mシュークロースを加えた(EG+S)耐凍剤で凍結保存した胚の直接移植では、31.7%(32/101)の受胎率であった。(表4)これは、ほぼ同時期に直接移植された凍結無処理胚(耐凍剤EG)の受 胎率46.3%(19/41)に比べ低い傾向であった。また、例数が少ないもののEG+Sを耐凍剤とした場合に、EG単独よりも受胎率が向上する傾向があった。これらのことから、胚の生存性に対するバイオプシーの影響は、凍結保存によって強まるものと考えられた。しかし、耐凍剤の工夫によりこれを軽減できる可能性があると思われた。
- これまでに性判別胚移植により29頭の産子が得られ、その性が判別結果と一致したのは96.6%(28/29)であり、本法はかなり精度が高いと推察された。(表4)
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| 成果の活用面・留意点 |
性判別の精度は高く、需要に応じた性の子牛を高率に生産できることから、関連機関と普及体制を検討中である。また、凍結性判別胚の受胎率が低いため、凍結保存技術については、引き続き試験を実施する予定である。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
経営管理
肉牛
乳牛
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