タイトル |
放し飼い養鶏における外敵の防除 |
担当機関 |
群馬県畜産試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
中山間地域の桑園などを中心に、放し飼い養鶏による自然卵生産が普及したが、鳥獣被害の防止が求められ電気柵を中心とした対策を検討したところ、この有効性が確認され、野犬や獣類の忌避学習効果も期待できた。
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背景・ねらい |
本県の特産物である養蚕業の低迷による遊休桑園の活用や特産物化を目指して、放し飼いによる自然卵生産が増加している。しかし、これらの地域はおおむね中山間地域に属しており、野生鳥獣等による被害が多発している。そこで、黒保根村放鶏農家組合(24戸)を対象とし、この内の4戸で対策を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 電気柵の設置により、被害の最も大きいタヌキ、野犬など地上歩行性の害獣被害については殆どが防御できる。
- 柵の高さは三段(15、35、55cm)程度でも有効である。
- 獣による電気柵の忌避学習の効果も期待できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 電気柵は雑草などによる漏電に弱いので、定期的な除草対策が必須である。
- イタチ等の小型獣に対しては初段の柵高を5~10cm程度まで下げないと効果は不十分であるが、低くすると管理不良による漏電の危険性が高まる。
- シカ等の大型獣は上段の柵高を1m程度にしないと簡単に飛び越える。
- 継続使用により獣の忌避学習効果があり、短期的な漏電失効時にも有効である。
- タカ等に対しては、簡易ネットや水糸などを張ることで多少の効果は期待できる。
猛禽類は保護鳥の場合が多いので、障害を与えないような方法の検討が必要である。
- 桑園作業上3~4mのネット高を要し、風や雪に対し簡易支柱では耐えられない。
- 費用は条件によって異なるが、電柵器本体が約4万円(ソーラー式は約7万円)で、延線有効距離は数Km~数十Kmある。柵はポリワイヤ-3段で支柱間隔3~4mとして約200~300円/mで、一般的な30a前後の放飼桑園では総額10万円程度を要すが、廃材や間伐材などの杭を利用できれば更に低減は可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
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鶏
防除
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