タイトル |
鶏卵中のω-3系高度不飽和脂肪酸の安定性 |
担当機関 |
神奈川県畜産研究所 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1996 |
要約 |
高濃度ω-3系高度不飽和脂肪酸を含む鶏卵の卵黄中での各脂肪酸含量は、保存期間が長くなっても、保存温度が高くなっても、各種加熱調理をしても新鮮卵とほとんど変わらなかった。
|
背景・ねらい |
高付加価値卵としてコレステロール低下、動脈硬化や心筋梗塞の予防に効果が認められているEPAやDHAを高濃度に含有した鶏卵が販売されている。しかし、不飽和脂肪酸は不安定で、食する段階で含量が低下する恐れがあるので、高濃度にω-3系高度不飽和脂肪酸を含む鶏卵の保存と調理による含有量への影響を検討した。
|
成果の内容・特徴 |
- 保存期間と保存温度の影響
新鮮卵と、4、18、30℃で1、2及び3週間保存したものと比較した。保存3週目の乾燥卵黄中での各脂肪酸含量は、4℃保存区が各脂肪酸でやゝ高くなっているが、保存期間が長くなっても、保存温度が高くなっても各脂肪酸とも新鮮卵とほとんど変わらない含量となった(表1)。 保存温度が高くなるにつれて、また、保存期間が長くなるにつれて卵重の減少率は高くなった。卵黄中の水分含量は卵重の減少率と逆の傾向を示し、保存温度が高くなるにつれて、また、保存期間が長くなるにつれて多くなった(表2)。
- 調理方法の影響
無処理のものを対照とし、ゆで卵、半熟、目玉焼き及び卵焼きの4つの調理法を比較した。卵黄中の各脂肪酸含量は卵焼きがやや低い値を示したが、有意な差は認められなかった(表3)。
|
成果の活用面・留意点 |
鶏卵は不安定な高度不飽和脂肪酸を安定的に保存するのに優れた媒体で、種々の料理にω-3系高度不飽和脂肪酸高濃度含有鶏卵が利用できる。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
乾燥
高付加価値
鶏
|