タイトル |
産卵鶏飼料への大粒カルシウム粒添加による破卵率の低減 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
採卵鶏の飼養において、直径2-4mmの(鶏が識別できる)大きさのカルシウム源を含む飼料を午前、または午後に給与すると、産卵後期の破卵率が低減できる。
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背景・ねらい |
採卵鶏経営では、自動給餌機等の普及に伴い、破損卵等の発生が増加傾向にあり、生産から消費に至るまでの過程で10%以上にも達し、業界全体の大きな損失となっている。鶏は夜間には飼料をほとんど摂取できないため、産卵期間中では夕方飼料摂取量が増大し、卵殻形成のために飼料由来カルシウムを多く獲得しようとする。そこで、通常1日2回(午前、午後)同一飼料を給与する体系を、鶏の日内要求量の変動に合わせてカルシウム粒度(小粒0.8-2.0mm,大粒2.0-4.0mm)を変えて1日2回(午前、午後)給与し、飼料摂取できない夜間に飼料中のカルシウムが直接卵殻形成に動員されるようにすることによって、卵殻質改善を図ることを目的とした。
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成果の内容・特徴 |
- 午前又は午後に大粒カルシウムを含む飼料を給与することにより、特に産卵後期の破卵率を約4割(実数値で約4%)低減することができ(図1)、全期間の破卵率で約3割(実数値で約2%)低減することができた。また、午前午後ともに大粒カルシウムを含む飼料を給与した場合においても破卵率を低減することができた。
- 産卵性については、午前又は午後に大粒カルシウムを含む飼料を給与することにより、飼料摂取量の低減及び飼料要求率が向上する傾向がわずかに認められた(表1)。これは、大粒カルシウムを鶏が識別し、カルシウム源を選択摂取したことによるもので、その結果、総飼料摂取量の低減と飼料利用性が向上する傾向が認められた。
- 破卵率等を含めた1羽当たり経済性は、午前または午後に大粒カルシウムを含む飼料を給与することにより、対照の午前午後小粒飼料給与区より上回った(表2)。
- 以上のことから、直径2-4mmの(鶏が識別できる)大きさのカルシウム源を含む飼料を午前または午後に給与することにより、産卵後期の破卵率が低減できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 午前、午後にカルシウム粒度の異なる飼料を給与することは、実際には困難である。
- 飼料中の炭酸カルシウムの内、鶏の識別できる大きさのものを半量以上用いることでも同様の効果が期待できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
経営管理
飼料利用性
鶏
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