タイトル |
過リン酸石灰による牛尿のアンモニア発生の抑制 |
担当機関 |
山梨県酪農試験場 |
研究期間 |
1992~1996 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1996 |
要約 |
牛貯留尿に対し、過リン酸石灰(粉状)を添加することにより、アンモニアの発生を抑制することができる。
|
背景・ねらい |
畜産における悪臭成分のうち、アンモニアに関してはギ酸やリン酸等の酸性薬剤の利用によってかなりの抑制が可能であるが、コストや土地還元した場合の影響などについて問題が残る。 そこで、リン酸と同様の効果が期待でき、肥料でもある「過リン酸石灰」について、その添加効果を検討した。
|
成果の内容・特徴 |
- 過リン酸石灰のアンモニア発生の抑制効果は、リン酸やギ酸に比べて劣るものの、貯留尿では4%添加で無添加に比べてアンモニアの発生を7割程度抑制し、その有効性が示された。また、牛の固液分離液に用いた場合も、抑制に効果を示した(図1)。
- 資材添加によるpHの低下はリン酸>ギ酸>過リン酸石灰となり、この違いがアンモニア抑制効果に影響を与えたものと推察された(図2)。
- 過リン酸石灰を添加した牛貯留尿を実際に畑地散布したところ、アンモニア発生の抑制効果が確認された(図3)。
- 牛固液分離液については草地で散布を行い、アンモニアの抑制は確認された(図4)が、過リン酸石灰添加直後に激しい発泡がみられた。
固液分離をしていないスラリーではさらに激しい発泡がみられ、これらへの適用にあたっては、何らかの消泡対策が必要と思われる。
|
成果の活用面・留意点 |
- 尿の散布を行う酪農家で活用できる。
- 過リン酸石灰の添加量については、コスト面や肥料成分なども勘案して決定することが望ましい。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
肥料
コスト
乳牛
薬剤
|