タイトル |
ネットおよびいがむき機を利用したくりの省力的収穫・調整法 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター |
研究期間 |
1996~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
くりを収穫する際、ネットを使用すると収穫作業効率が向上する。さらに、いがむき機を併用することにより、大幅な省力化が可能である。
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背景・ねらい |
くりの栽培上、収穫作業は最も時間と労力を要する。落下した果実を長時間地面に放置すると、コオロギ等による食害や、果皮の退色等、鮮度の低下が著しいため、短時間に収集する収穫法の開発が必要である。
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成果の内容・特徴 |
- 所内の8年生くり樹「筑波(4.5m・3.6m正方形植)」「銀寄(4.5m正方形植)」を使用し、くり収穫ネットの作業能率を調査した。ネットは兵庫農技センターが開発したもの(14mm目・4m×25m、図1参照)を使用した。調査区は、慣行区:直接果実のみを収穫、ネット使用区:ネットでいが・果実を収穫後2重ネットにより果実を選別、ネット+いがむき機区:ネットで集めたいが・果実をいがむき機を利用し果実のみ選別、の3区とした。調査は作業人員二名による各区100㎡の最終的な果実の収穫時間を測定した。
- 平成7年の「筑波」において、いがを含む果実収穫時間はネット使用区が慣行区を大幅に下回った。しかし、ネット区は2重ネットで分別除去しきれない、いが・葉などの分別作業時間が加わるため果実のみの収穫作業能率の向上は若干であった。平成8年は収穫直前の台風により未熟果・古葉などが予め樹上で除去されていたこともあり、ネット使用区の作業能率は大幅に向上した(表1)。
- 平成8年の「銀寄」の収穫作業能率はネット使用区が慣行区を大幅に上回った。しかし、これは「筑波」同様、台風の影響を若干受けた結果だと思われる(表2)。
- 平成7年の「筑波」、平成8年の「銀寄」ともにネット収穫+いがむき機の果実収穫作業能率は他の2区と比較して顕著に高かった。特に「銀寄」のようにいが離れの悪い品種には効果が高く、時間当たりの作業能率は2倍以上向上した(表1、表2)。
- 以上の結果、クリ収穫時にネットを使用することにより作業能率の向上が期待でき、さらにいがむき機を併用することにより、大幅な省力が可能である。
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成果の活用面・留意点 |
ネットを早く設置しすぎると、雑草等がからまるため、収穫直前に用意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
くり
雑草
省力化
品種
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