タイトル |
細胞分裂停止期の推定に基づくにほんなし「筑水」及び「新星」の予備摘果の品種順 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1993~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
にほんなし「筑水」の満開から細胞分裂停止期までの日数は「幸水」、「豊水」より短く、予備摘果順序を早くすることが望ましい。「新星」は分裂停止期までの日数が「幸水」、「豊水」とほぼ同程度であることなどから、摘果順序を早くする必要はない。
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背景・ねらい |
「筑水」は早生品種であり、開花が比較的遅く、収穫所要日数が短い。「新星」は晩生品種である。予備摘果時期は雇用労力などを導入しても、作業の大きなピークとなっており、予備摘果作業の品種順序の決定は果実肥大との関係を考慮する必要があるため重要である。細胞分裂停止期の早い品種は果実の大きさや果形が早期に決定するため予備摘果を早い時期に実施できると考えられることから、果径、果肉細胞直径から細胞分裂停止期を推定し、予備摘果の品種順序の決定の参考にする。
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成果の内容・特徴 |
- 開花後7日から42ないしは49日後まで7日ごとに1品種につき5果の果実横径と細胞直径(最大径及びそれと直交する径を各10反復)を測定した。図1、図2、図3、図4に1992年の果実横径と細胞直径の関係を両対数で示し、変曲点を細胞分裂停止期とした。1991年~1993年の細胞分裂停止期は、果実横径では「筑水」が13~17mm、「新星」が15~18mm、「幸水」が20~21mm、「豊水」が13~22mmの時期と推定された(図1、図2、図3、図4、表1)。
- 細胞分裂停止期を開花後日数で推定すると「筑水」が開花後21~31日、「新星」が同30~37日、「幸水」が同28~38日、「豊水」が同21~36日であった(表1)。
- 「筑水」はいずれの年でも細胞分裂停止期までの日数が最も短かった。さらに、極早生品種であること、収穫時の果重が小さい傾向があることなどから、4品種の中で予備摘果の順序を最も早くすることが望ましい。
- 「新星」はいずれの年でも細胞分裂停止期までの日数が「幸水」、「豊水」とほぼ同程度であった。さらに、晩生品種であることなどから、4品種の中では予備摘果の順序 を早くする必要はない。
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成果の活用面・留意点 |
予備摘果は「筑水」、「幸水」、「豊水」、「新星」の順に実施する。なお、「豊水」は条溝果が発生しやすいので「幸水」より摘果順を遅くした。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
品種
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