タイトル |
りんごにおける性フェロモン剤の利用効果 |
担当機関 |
岐阜県高冷地農業試験場 |
研究期間 |
1996~2002 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
りんごの主要りん翅目害虫6種を対象とした混合性フェロモン剤を、成虫発生初期に10a当たり200本程度を広範囲に設置することで、年間の殺虫剤散布回数の削減が可能である。
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背景・ねらい |
安全・安心・健康的な果実生産が強く求められるなかで、りんごの薬剤散布回数は年間10数回を数える現状である。そこで、人畜及び環境に対して安全で果実への残留もない、りんご主要りん翅目害虫6種を対象とした性フェロモン剤を活用した殺虫剤の散布回数削減効果について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- りんごの主要りん翅目害虫6種を対象とした性フェロモン剤を対象害虫の成虫発生初期に設置する。
- 設置量は、10a当たり 200本程度を標準とし、目通りの高さに設置した。
- 対象害虫であるモモシンクイガ、ナシヒメシンクイ、キンモンホソガ、リンゴコカクモンハマキ、リンゴモンハマキに対して、高い交信撹乱効果が認められる(表1)。
- 通常年の害虫発生量であれば、対象害虫であるシンクイムシ類、ハマキムシ類、キンモンホソガの発生を抑制し、年間の殺虫剤散布回数が半分程度にまで削減が可能と考えられる(表2,表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 1ha程度以上の広い範囲で設置し、急傾斜地や風の特に強い場所は避ける。
- 設置量は、害虫発生密度や園周縁部及び傾斜上部などの圃場条件によって増減する。
- 対象害虫であっても発生状況を常に把握し、被害が予測される場合や対象以外のカメムシ類等の被害が予想される場合は、必要に応じて臨機防除を実施する。
- 対象害虫、対象外害虫、発生密度、反復年度等について更に検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
カメムシ
傾斜地
性フェロモン
防除
もも
薬剤
りんご
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