タイトル |
青果物に関する消費者ニーズの把握方法 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1996~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
青果物の商品属性と消費者のもつ価値とのつながりを把握するために、トマトを使ってラダリング法の適応を試みた。その結果、トマトの商品属性から消費者の精神・情緒的価値に至る階層的な価値構造を捉えることができた。
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背景・ねらい |
消費者は、青果物を購入する際に、商品属性(価格、外観品質等)をもって商品を購入しているが、その背後には何らかの価値(安全だから、新鮮だから等)が存在すると考えられる。よって、商品属性と価値とのつながりを把握するために、トマトを使ってマーケティング分野で使われているラダリング法の適応を試みる。
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成果の内容・特徴 |
- ラダリング法
消費者が商品を識別する下位要素(商品属性)から上位要素(価値観)にさかのぼっていくことにより、その商品を選んだ潜在的理由を引き出そうとするの定性的な一手法である。通常は、1対1の面接により調査を行うが、大量のサンプルを扱う場合には、質問紙を用いて行う方法もある。(詳しい調査方法・分析方法については、日本マーケティング・サイエンス学会第59回大会報告の丸岡吉人「ラダリング法を用いたブランド調査とブランド構築」を参照。)
- 方法
任意にサンプリングした女性63人を対象として、集合調査法により質問紙調査(図1参照)を行った。
- 結果
質問紙調査により収集した消費者の価値構造に関するデータを、ラダリング法を用いて分析した。得られた消費者の価値構造は、図2のように整理できる。 商品属性としては「外観品質」と「栽培表示」が重視されている。「外観品質」を選択した理由(認知的価値)としては、「おいしいものを食べたいから」や「新しい野菜を手に入れたいから」が多かった。これに対して、「栽培表示」を選択した理由(認知的価値)としては、「安全な野菜が欲しいから」が多かった。さらに、これらの上位に位置する精神・情緒的価値としては、「健康を維持するため」や「食生活を充実させたいから」が多かった。
現状の価値連鎖を検討することにより販売方法計画、育種目標計画、広告表現計画につなげていくことができる。
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成果の活用面・留意点 |
現状の価値連鎖を検討することにより販売方法計画、育種目標計画、広告表現計画につなげていくことができる。 留意点として、定量調査は、最初から回答者に選択肢が与えられているために選択肢の選定に注意する必要があり、定性調査は、回答を誘導しないようにする必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育種
トマト
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