ナシ「あけみず」の、簡易包装と冷蔵による鮮度保持技術

タイトル ナシ「あけみず」の、簡易包装と冷蔵による鮮度保持技術
担当機関 神奈川県農業総合研究所
研究期間 1996~1999
研究担当者
発行年度 1996
要約 神奈川県で育成されたナシ「あけみず」について、簡易包装と冷蔵による鮮度保持試験を行ったところ、5℃で冷蔵すれば2週間程度の保存が可能であることがわかった。
背景・ねらい 本県育成ナシ「あけみず」(平成6年8月18日品種登録申請)について、低温と簡易な包装を用いた短期鮮度保持を行い、その品質許容限界を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. あけみず及び対照品種として筑水を、収穫当日にナイロン・ポリエチレン積層微孔フィルムP-プラス1、同2、有孔高密度ポリエチレン(HDPE、直径3㎜穴を5×5㎝間隔で開けたもの)の袋(大きさ20×20㎝)に1果ずつ入れヒートシーラーで封をし、5℃ 、RH80±10%で貯蔵、1週間毎に各区2果ずつ重、CO2濃度、硬度、糖度、糖・酸組成、食味について調査を行った。
  2. 重量は、有孔HDPEでは日数の経過とともに減少したが、P-プラスでは1、2ともに0.5% 程度の減少にとどまった。P-プラス1と2では、僅かながら1の方の減少率が小さかった。(表1、表2)
  3. 包装内部のCO2濃 度は、増減に一定の傾向は見られなかったが、P-プラス1の方が若干高い濃度を示した。また、P-プラスでは、袋の開封時に1、2週間後ではエステル臭が、それ以降では発酵臭が感じられた。(表1、表2)
  4. 果肉の硬度は、あけみずの方が筑水よりも大きく、果肉が硬いことを示したが、値のばらつきも大きかった。日数の経過による軟化は顕著に見られなかったが、食味試験時に部分的に軟化しているものが見受けられた。また、包装材による差は認められなかった。(表1、表2、図1)
  5. 糖、酸の総量及び酸の組成は、増減に一定の傾向は見られず、また、包装材による差も認められなかった。糖の組成は、日数の経過とともにショ糖の割合が減少し、ブドウ糖、果糖の割合が増加したが、あけみずはソルビトールの含有量が多くショ糖の含有量が少ないため、割合の変化は筑水に比べて小さかった。(表1、表2、図2、図3)
  6. 食味は、あけみずで2週間後、筑水で3週間後まではあまり低下しなかったが、それ以降は日数の経過とともに悪くなった。包装材による差は認められなかった。(表1、表2)
  7. あけみずは、ナイロン・ポリエチレン積層微孔フィルムで包装し、5℃で保存すれば、収穫後2週間程度の貯蔵は可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 包装資材のガス・水分透過性の相異により、重量・食味に差異が出る。
図表1 215170-1.gif
図表2 215170-2.gif
図表3 215170-3.gif
図表4 215170-4.gif
図表5 215170-5.gif
カテゴリ 鮮度保持技術 品種 良食味

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