乗用管理機を利用した水稲湛水表面散播栽培の作業体系

タイトル 乗用管理機を利用した水稲湛水表面散播栽培の作業体系
担当機関 茨城県農業総合センター
研究期間 1995~1998
研究担当者
発行年度 1996
要約 乗用管理機を利用した湛水表面散播栽培での各粒状資材散布作業能率は0.69~0.92hr/haである。作業体系としての延作業時間は63.8hr/haと省力的な稲作が可能である。さらに、播種、除草剤散布、病害虫防除、追肥等の作業を1台の作業機で行うことができるため機械利用経費を節減できる。
背景・ねらい 湛水表面散播栽培は、規模拡大に対応できる省力、低コスト技術のなかでも、圃場条件、播種期の降雨の影響を受けにくい技術として注目されている。しかし、播種及び管理作業は背負式動力散布機を使用しているところが多く、規模拡大に伴い労働負担も大きくなっている。そのため、省力的で軽労働化した作業体系が求められている。
成果の内容・特徴
  1. 乗用管理機(I式JK-120GH)での作業は、オペレータが1人で行え、かつ、労働負担が軽減できる。
  2. 乗用管理機のタンク容量は180であるため、1回の補給によりカルパーコーティング種子は1.3ha(播種量:乾籾換算4kg/10a)、除草剤(3kg粒剤)は5.5ha、除草剤(1kg粒剤)は15.4ha、NK化成は0.9ha(施肥量:窒素成分3kg/10a)分の積載が可能である。
  3. 乗用管理機(広幅散粒機(I式IHB-180L)装着)の各作業能率は、作業速度が0.52m/s程度のとき4~6分/10aである。作業幅は15m用噴管では10m用噴管に比べ圃場作業量が25%程度向上した(表1)。
  4. 散布位置別の散布量は作業機の中心部が多い。また、除草剤のように粒径の小さい資材は比較的遠くまで吐出され行程のあわせめで散布量が多くなる傾向が見られた。散布量の変動係数は播種が37.6%、その他の作業では30~34%である。この程度の散布量の位置別変異は圃場では問題はなく、各種資材の散布に実用的に利用できる。さらに、除草剤散布では1kg粒剤でも3kg粒剤と同等の精度で作業が行える。
  5. 播種深度は、代かき直後では2~3.5mm、24時間後にはほぼ0mmとなった(図1)。
  6. 作業体系としての延作業時間は63.8hr/haとなり、移植栽培(平成7年大規模農家の調査結果179hr/ha)の36%に短縮できた(表2)。
  7. 本作業体系は、負担面積が30ha程度、機械利用経費が移植栽培の60%となり、水稲経営の規模拡大と低コスト化が期待できる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 地耐力の小さい圃場はさける。
  2. 適正播種深度(5mm)を得るために代かき後の播種までの時間に留意する。
  3. 使用資材に応じて吐出量の調整を十分に行うとともに、作業速度を一定に保つ。
  4. 作業前に各行程の目印を付けておく。
図表1 215171-1.gif
図表2 215171-2.gif
図表3 215171-3.gif
図表4 215171-4.gif
カテゴリ 病害虫 規模拡大 経営管理 除草剤 水稲 施肥 低コスト 播種 病害虫防除

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