タイトル |
水田用栽培管理ビークル導入の移植水稲生産体系 |
担当機関 |
埼玉県農業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
水田用栽培管理ビークルでの田植は、既存の田植機と同等に行える。粒状物・液剤散布性能は極めて高く、時間当たり圃場作業量は 1ha以上で、管理作業の 1人化と乗用体系での省力・軽労働化ができる。15ha規模の経営とすることで、慣行移植と同コストの生産ができる。防除等の作業能力は高く、大面積利用が可能である。
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背景・ねらい |
水田用栽培管理ビークルは、乗用型原動車本体に、田植機、粒状物散布機、液剤散布機を装着し、水稲作の乗用機械化一貫体系が確立できる。このビークルを用いた水稲作の乗用型一貫機械化体系技術の開発を行うとともに、その経済性を見た。
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成果の内容・特徴 |
- ビークルは、田植、施肥、除草剤散布、病害虫防除(粒剤・液剤散布)作業が行える(表1)。
- 各作業機のビークルへの装着は、オートヒッチにより2分程度で簡易に行える。
- ビークルでの管理作業は、組作業人員が不必要で、作業の 1人化による省力化(表1)と、乗用体系による軽労働化が図れる。
- 田植作業(6条)の能率・精度は、専用田植機(1m/s)と同等である(表2)。
散布作業は、作業速度に応じた資材吐出量となっており、粒状物は材の比重を合わせた上で、散布量の調整は、液剤も含めダイヤル設定式で簡易に行える。散布ムラと外部への飛散は少なく、高精度の作業が行える(表2)。
- 散布作業の能率は、施用量により積載時間は異なるが、圃場での作業時間は同時間で行える。粒状物の散布作業は時間当たり1.4ha程度で行え、液剤散布では1.1ha程度である。
- 散布作業は、1時間に1ha以上の高能率であり、乗用体系での軽労働化が図れることから、作業受託等大面積の作業が可能である。
- 防除作業等での稲株踏み潰しは、同一点を走行することで2%以下に抑えられる。
- 15ha規模を想定したビークル導入の水稲作モデルによる経済性試算では、慣行の同規模体系より本体系は約2%高く、所得は64万円少なくなる。しかし、延労働時間は153時間少なく、時間当たり所得では逆転し、ほぼ慣行体系と同等と評価された(表3、表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 管理作業の同一路走行には管理用タイヤが適するが、軟弱圃場では、管理作業の走行路をずらす必要がある。
- 散布作業は、1回の積載(粒材38リットル、120リットル、液剤140リットル)で大面積可能なため、正確に吐出量調整を行う。
- 収益増大には、管理作業の受託などが有効とされる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
機械化
機械化体系
経営管理
コスト
栽培技術
省力化
除草剤
水田
施肥
病害虫防除
防除
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