土壌消毒剤「ダゾメット粉粒剤」の機械施用技術

タイトル 土壌消毒剤「ダゾメット粉粒剤」の機械施用技術
担当機関 静岡県農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 粒状や粉状の肥料の散布が可能な施肥機を利用して安全で省力的に「ダゾメット粉粒剤」を散布することが可能である。散布後に2回耕うんを行うことで同剤の有効な殺虫活性があるとされる25mg/L以上の薬量を30cmの深さまで施用できる。
背景・ねらい 土壌消毒剤「臭化メチル」の代替剤の一つとして「ダゾメット粉粒剤」が注目されており、その効果をはじめとして安全性や低刺激性が確認されている。しかし散布は手作業で行われているのが現状である。粉粒剤の施肥機への適応性を検討し、それとともに「ダゾメット粉粒剤」がサツマイモネコブセンチュウの卵・幼虫に対して有効な殺虫活性があるとされる25mg/L以上の薬剤量をロータリ耕により処理層全体に混和できる耕うん方法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 散布した「ダゾメット粉粒剤」はA・K社製のもので、性状は粒径が0.1~0.4mm、仮比重が約0.7kg/L、口径2.5mmの穴より連続的に落下する流動性を持つ。
  2. 散布に利用した施肥機(T社製FP-304)は、シャッタ開度を調節することにより「ダゾメット粉粒剤」の落下量を毎秒1gから20gまで、任意に設定することが可能である(図1)。
  3. ほ場における落下量は、設定値との誤差が3%程度である。
  4. 散布後に2回耕うんを行うことで30cmの深さまで有効な殺虫活性があるとされる薬剤量25mg/L以上を混和することが可能である。また、散布前の耕うんと組み合わせることでより均一な混和状態を得ることができる(表1)。
  5. 施肥機は乗用トラクタの前方に装着し、手元のスイッチで操作する。落下ホースを地表近くまでのばすことでドリフトは手作業より少なくなり、作業者は安全かつ省力的に作業が可能である(写真1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「ダゾメット粉粒剤」の適用内容及び使用方法を守る。
  2. 散布に際しては、事前に作業速度を設定し、所定の落下量が得られるようシャッタ開度の調節を行う。
  3. 風が強い際の散布は控えることが望ましい。
  4. 比較的砕土状態の細かい厚層腐植質黒ボク土における成果であるので、土壌条件によって耕うん方法等の検討が必要である。
  5. 薬剤の深部における均一な混和を得るためには高馬力のトラクタによる耕うんが望ましい。
  6. 施肥機はバッテリ駆動で、耕うん用の大型トラクタにも装着でき、散布と耕うんの同時作業が可能である。今回のように散布と耕うんを別々に行う際には、散布後直ちに耕うんすることが望ましい。
図表1 215178-1.gif
図表2 215178-2.jpg
図表3 215178-3.gif
カテゴリ 肥料 施肥 施用技術 土壌消毒 薬剤

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