タバコ移植機に適応した桑苗生産と植付作業技術

タイトル タバコ移植機に適応した桑苗生産と植付作業技術
担当機関 茨城県農業総合センター
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 古条をジフィーポットに挿し木して育成した桑苗をタバコ移植機を利用してビニールマルチをした圃場に植付けることにより,1年で桑園造成が可能となった。この技術は従来の手作業に比較して労働時間が1/5に省力化し,資材費が1/2に低減された。
背景・ねらい 養蚕の担い手の高齢化,繭価格の低迷による養蚕の縮小過程の中で老朽桑園は増大し,桑園の生産性が低下している。
このため,植付後早期に土地生産性を高め得る多植・密植桑園が推奨されているが,植付作業は重労働のうえ,多くの労働時間と多額の費用を要するため,これが隘路となって改植が進まない。そこで,機械で能率的に植付可能となる桑苗の効率的生産技術とタバコ移植機による植付作業技術を開発し,能率的かつ低コストな桑園造成技術を体系化する。
成果の内容・特徴
  1. 採取した穂木を基部から2~3芽をつけて10㎝の長さに調整し,トップジンM500倍で30分間浸漬消毒したのち,発根促進剤オキシベロン4倍液で3秒間浸漬し,鹿沼土を入れたジフィーポットに挿し木する。挿し木した古条は20℃で約1カ月育成すると,第4開葉前後の苗木になる(図1)。
  2. ジフィーポットに挿し木して育成した桑苗は,タバコ移植機で幅40㎝,高さ10㎝程度のビニールマルチを行った圃場に,直接植付ることが出来る。
  3. 圃場に畝間1.5m×株間0.45mに植付た場合,要した時間は,10a当たり苗木の圃場への配置と機械への設置に1.時間36分,植付に48分,覆土に48分であった(表1)。
  4. 桑苗の自給生産が可能となること,植付作業労力が軽減されることにより桑園造成が慣行の手作業に比較し,労働時間で1/5,資材費で1/2となった(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 古条をジフィーポットに挿し木して育成する場合,2月に挿し木用穂木を採取して,乾燥させないようにビニールで包んで5℃に保存しておく。3月に挿し木を行い,植付は遅くとも4月末までに行う。
  2. 挿し木用の古条は,前年に春切した無収穫枝条(古条180㎝以上)を採取し,基部に近い70㎝位を使用し,上部は使用しない。
図表1 215188-1.gif
図表2 215188-2.gif
図表3 215188-3.gif
カテゴリ カイコ 改植 乾燥 効率的生産技術 挿し木 省力化 たばこ 低コスト

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