タイトル |
クローラ型搬送機導入による収穫桑の搬送作業の省力化 |
担当機関 |
埼玉県蚕業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
蔬菜栽培等で利用されているクローラ型搬送機に、簡易に装着できる桑運搬用アタッチメントを開発した結果、収穫条桑1t当たりの園外搬出~運搬車積載までの作業時間が、従来の人力作業に比較して約45%に短縮され、作業強度も大幅に軽減された。また条桑刈取機との併用により収穫作業が人力と比較して約30%となった。
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背景・ねらい |
現在普及している歩行型条桑刈取機は、桑の刈取能率は優れているが、刈取以後の圃場外搬出、トラックへの積込等の作業が依然として人力に依存しており、規模拡大の隘路となっている。そこで、収穫桑の圃場外搬出、積込、運搬の各作業を、省力化するため、蔬菜栽培や土木作業等で利用されているクローラ型搬送機に、新たに開発した桑搬送用アタッチメントを装着することにより、省力的な桑搬送技術を確立した。
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成果の内容・特徴 |
- 本機は、クローラ型搬送機(XS75LAD:油圧リフトandダンプ)に、簡易に装着できる全長 1,610mm×全幅 1,510mm(2.43㎡)の収穫条桑の積載用のアタッチメントを装着したもので、全蚕期を通じて 200kg(20束)程度の積載が可能である。(写真1)
- クローラ外幅が 650mmであり、畦幅が1.0m以上の桑園であれば導入できる。
- リフト機能により荷台の作業部位が510~1,260mmの範囲で任意に変更でき、中間伐採を行った桑園を含め全蚕期に導入できる。
- リフト機能を利用して、荷台を約 1.2 mまで上げることができるので条桑を人力で上げる必要がなく、トラック積載時の労働強度が軽減される。(写真2)
- 本機の多植桑園(畦間1.3m×株間0.5m)における収穫条桑1t当たりの圃場外搬出作業とトラックへの積載作業の合計作業時間は、1人作業で人力作業に比較して43~45%に短縮ができる(表1)。
- 本機を利用した圃場外搬出作業の作業者に負荷を与える仕事量は 6.04W・hr/10aで、人力作業と比較して21.5%に減少できる。(表2)
- 条桑刈取機との組み合わせにより、刈取作業と搬出作業を並行して行うことにより、刈取~トラック積込までの実作業時間は、人力作業の28%と大幅に短縮できる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 汎用性の高い搬送機であり、他の養蚕作業や他分野での使用も行える。
- すでに歩行型条桑収穫機が導入されている農家に速やかな普及が期待される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
カイコ
規模拡大
桑
収穫機
省力化
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