PCR法による核多角体病及び濃核病ウイルスの同時検出技術

タイトル PCR法による核多角体病及び濃核病ウイルスの同時検出技術
担当機関 埼玉県蚕業試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1996
背景・ねらい 血清学的手法に比べてはるかに感度が高く、夾雑物による非特異反応が起こりにくいPCR法を利用して、蚕病の総合的な早期診断技術を確立するため、前回のカイコ核多角体病に続き、濃核病のプライマーの選定と検出方法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 今回、作成したプライマー(DN201:5'-TTAGCTTCTTGAGCATAACG-3'DN202:5'-GAAGATACTGTCCCAAATGA-3')は、佐久株,山梨株及び県内で採取した濃核病ウイルス2型と反応し、1本のバンドを形成する。また、他のウイルス(カイコ核多角体病ウイルス,濃核病ウイルス1型,カイコ細胞質多角体病ウイルス)とは反応しない。(図1)
  2. カイコ核多角体病ウイルスと同じ手法(図2)を用いることにより、感染60時間後には、蚕糞から検出が可能である。(表1)
  3. 重量比で健全蚕の糞10,000に対して病蚕の糞1が混入していても、検出が可能である。
  4. PCR反応液のそれぞれのプライマーを加えることにより、カイコ核多角体病ウイルスと濃核病ウイルス2型の同時検出が可能である。(図3)
成果の活用面・留意点
  1. 飼育中の糞100g程度から、カイコ核多角体病及び濃核病のウイルスを同時検出することにより、早期診断を行い、迅速な対応が可能となる。
  2. 他のウイルスの検出法も検討しており、病蚕の総合的な早期診断技術の確立を目指している。
図表1 215196-1.gif
図表2 215196-2.gif
図表3 215196-3.gif
図表4 215196-4.gif
カテゴリ カイコ 診断技術

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