タイトル |
トリフルミゾールによる細繊度繭生産 |
担当機関 |
千葉県農業試験場蚕業研究室 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
トリフルミゾールを湯練り飼料に混入し、普通蚕品種の3齢初期に食下させることで3眠蚕を効率的に誘導できる。3眠化により繭糸繊度が2デニール前後の細繊度繭となり、繭および生糸の差別化、用途別化が容易となる。
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背景・ねらい |
繭価格が長期的に低迷するなかで、繭生産基盤が急速に弱体化している。国内の繭生産を維持・増強するため、トリフルミゾールにより普通蚕を3眠蚕化することで細繊度繭の生産技術を確立し、生産繭および生糸の差別化による地域ブランド化の推進に資する。
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成果の内容・特徴 |
- トリフルミゾール9g(表1)を日本薬局方エタノール40ml(表2)に溶解させてから、約80℃の湿体調製に用いる湯(44l)に入れ、良く撹拌してから粉体20kgを投入し、湯練り飼料の湿体調製を行う。
- トリフルミゾールを混合した湯練り飼料は、1~2齢人工飼料育後の3齢餉食時に、掃立蚕1箱(2万頭)当たり6kg給餌する。給餌後48時間摂食させると99%以上の3眠化率が得られる(表3)。
- 3眠化した蚕の3~4齢経過日数は、4眠蚕の3~5齢経過に比べて約3日短縮するが、虫質には大差がない。繭重は1.5g前後、繭層歩合は21%強である(表3)。
- 細繊度繭の繰糸成績は、生糸量歩合や繭糸長が普通繭に比べてやや劣るが、解じょ率には差がない。繭糸繊度は2デニール前後と細く、細繊度繭としての差別化が容易である(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- トリフルミゾールは現在、動物用医薬登録の申請手続きを行っており、認定されれば農家への技術普及が可能となる。
- 蒸煮するタイプの人工飼料ではトリフルミゾールが高熱により分解するので、同一濃度の処理では3眠化率が低下する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
地域ブランド
品種
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