捕食性天敵ナミテントウムシの人工餌としての蚕卵粉末の利用

タイトル 捕食性天敵ナミテントウムシの人工餌としての蚕卵粉末の利用
担当機関 山梨県蚕業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 クワキジラミに対する捕食性天敵ナミテントウムシの人工餌として取り扱いが簡便な蚕卵粉末を若齢期に与え、壮齢期に雄蜂児粉末を用いることで、ナミテントウムシの人工餌による飼育の省力化と継代が可能である。
背景・ねらい 桑難防除害虫クワキジラミに対して、ナミテントウムシが高い捕食性を示すことを認め、天敵としての可能性を明らかにしたが、これを生物防除に活用するためには人工餌による飼育・継代と大量増殖技術の開発が必要である。
そこで、ナミテントウムシの飼料として雄蜂児粉末が有効とされているが、給餌管理を頻繁に行う必要があるため、人工餌として取り扱いが簡便な蚕卵粉末の利用法を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 蚕卵粉末は、蚕卵を60℃で48時間送風乾燥したものをすり鉢で粉末にし、-10℃に保存する。
  2. ナミテントウムシ幼虫の飼育は55mmシャーレで、表1の人工餌により1頭育し、蚕卵粉末は4日毎に、雄蜂児粉末は2日毎に交換し、併せて蒸留水を脱脂綿に含ませ与える。
  3. 幼虫期間中に蚕卵粉末を与えたものは、発育が遅れながらも生育するが、産卵は見られない。(表2、表3、表4)
    しかし、若齢期に蚕卵粉末を、壮齢期に雄蜂児粉末を与えると、幼虫期間中を雄蜂児粉末で飼育したものと同程度の生育、産卵が見られる。(表2、表3、表4)
  4. 若齢期に蚕卵粉末を、壮齢期に雄蜂児粉末を給餌する組み合わせで飼育・継代が可能であり、蚕卵粉末の人工餌としての利用効果が認められる。
  5. 取り扱いが簡便な蚕卵粉末を利用することで、給餌管理が省力化される。
成果の活用面・留意点
  1. 給水方法の改善が必要である。
  2. ナミテントウムシ幼虫は共食いをするため、集団飼育を行う際は、これの防止方法を検討する必要がある。
図表1 215204-1.gif
図表2 215204-2.gif
図表3 215204-3.gif
図表4 215204-4.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 乾燥 省力化 防除

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