初夏どりキャベツにおける株腐病の発生生態と予防薬剤防除による防除

タイトル 初夏どりキャベツにおける株腐病の発生生態と予防薬剤防除による防除
担当機関 東京都農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 初夏どりキャベツの株腐病は、梅雨期に多発する。結球期に病原菌の担子胞子飛散により圃場全体で発病し、その後、収穫期にかけて急速に被害が拡大する。本病の防除には、結球初期からのトルクロホスメチル水和剤の予防散布が有効である。
背景・ねらい 近年、東京都で初夏どりキャベツに株腐病が多発し、問題となっている。そこで、本病の防除対策のために、本病の発生生態を調査し、防除薬剤について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 発生生態
    • 本病は、梅雨期のように降雨が断続的に続くような条件下で発生する。本病の被害は、初発生から約2週間を経て急速に圃場全面に蔓延した(図1)。
    • 初夏どりの作型において、4月上旬の定植と5月上旬の定植では、本病の初発生に15日間の差異が生じた。しかし、いずれも本病は収穫の直前から発生し、収穫期に被害が拡大した(図2)。
    • 本病の病原菌はThanatephorus cucumeris(不完全世代:Rhizoctonia solani AG-1,1B)である。本病菌は圃場内のキャベツに子実層を形成し、子実層上に多量の担子胞子を生じることが確認された。担子胞子は接種試験においてキャベツに強い病原性を示した。
    • 担子胞子は、梅雨期の高湿度が連続するような条件下で多数飛散した。担子胞子が多量に飛散した後に、本病の被害が急速に拡大した。
  2. 薬剤防除
    • トルクロホスメチル水和剤は、結球初期から7日間隔3回の予防散布で、防除価85と高い効果を示した。しかし本薬剤は、本病発生後の散布では、防除価43と効果は不十分であった。
成果の活用面・留意点 ・本病の主要な伝染源は病原菌の担子胞子である。担子胞子をキャベツに接種した場合、8日前後と比較的短期間で発病する。
・本病は収穫期に被害が拡大する。したがって、本病の防除にはトルクロホスメチル水和剤を結球初期から予防的に散布する。
図表1 215209-1.gif
図表2 215209-2.gif
カテゴリ 病害虫 キャベツ 栽培技術 防除 薬剤

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