Stemphylium vesicarium による宿根アスター斑点病の発生と防除

タイトル Stemphylium vesicarium による宿根アスター斑点病の発生と防除
担当機関 山梨県総合農業試験場
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1996
要約 宿根アスター斑点病は栽培期間を通してみられるが、側枝葉の発生や密植栽培などにより過繁茂状態になると多発する。密植などの過繁茂栽培の回避、耐病性品種の利用および薬剤(TPN剤)散布が有効な防除法である。
背景・ねらい 宿根アスターの一部の交配群はクジャクアスターと呼ばれ切り花として人気があり、最近全国的に栽培されるようになったが、各地において Stemphylium vesicarium による斑点病が多発し、品質の低下と減収が問題となっている。そこで、宿根アスターの生産安定を図るため、本病の発生状況を明らかにし、効果的な防除法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 発生状況
    本病は栽培期間を通してみられるが、側枝葉が過繁茂状態になると多発する。栽植密度が、疎植では少発生だが、密植では多発する。病徴は、葉、茎および花でみられる。初め暗褐色のえ死斑あるいは中心が褐色で周囲が黒褐色の斑点が生じ、病斑の拡大融合により葉枯となる。多発すると株は下葉から枯れ上り枯死あるいは開花不良となる。
  2. 防除法
    • 栽培品種には、アメジストピンク等の耐病性品種とホワイトスター等の感受性品種があるが、耐病性品種を栽培すると効果が高い(表1)。
    • 本病は、栽植密度が疎植(1500本/10a)では少なく、標準(4100本/10a)では多発し、密植(7700本/10a)では激発する(表2)。
    • TPN剤とイプロジオン剤(未登録)が本病防除薬剤として有効である。側枝葉が発生し病斑が急増し始める収穫40日前頃からこれら薬剤1000倍液を10日間隔で 4回散布すると高い防除効果がある(表3)。
成果の活用面・留意点 ・病原菌は罹病株でも土壌中でも生存し、翌年の伝染源になるので発病跡地では連作を避ける(埼玉園試)。
・TPN剤は農薬登録(1994年9月)されているが、それ以外の薬剤は登録されていない。
図表1 215210-1.gif
図表2 215210-2.gif
図表3 215210-3.gif
カテゴリ 病害虫 アスター 宿根アスター 耐病性品種 農薬 品種 防除 薬剤

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