タイトル |
太陽熱土壌消毒によるハクサイ黄化病の防除 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
露地ほ場における夏季の太陽熱土壌消毒は、ハクサイ黄化病の防除に高い効果を示した。また、太陽熱土壌消毒後のDCIP剤かん注処理は防除効果をさらに高める効果がある。
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背景・ねらい |
本県では、ナス、フキ、ハクサイなどの野菜類にバーティシリウム病の発生が多く、その防除には、主にクロルピクリン剤などの土壌くん蒸剤が使用されている。しかし、都市化の進展や地球環境保全の面から、土壌くん蒸剤の使用削減が課題となっている。そこで、太陽熱土壌消毒を中心にした土壌くん蒸剤に代わる防除方法について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 7月下旬~8月下旬の太陽熱土壌消毒処理により、露地ほ場でも地表下15㎝では、殺菌効果発現の目安となる40℃以上の累積時間は 150時間以上になる。地表下25㎝の地温は40℃を超えない場合もあるが、39℃以上の温度は 45~120時間確保できる。(図1)
- 石灰窒素 150㎏/10a、稲わら1t/10aを施用して、湛水後全面マルチを行う太陽熱土壌消毒処理により、露地ほ場においても実用的なハクサイ黄化病の防除が可能である。(図2,図3)
- 供試した市販の土壌改良資材(VS-34とVSあかきん混用、オーレスG)及び薬剤(DCIP乳剤)のうち、太陽熱土壌消毒後に処理することにより、太陽熱土壌消毒単独の場合よりも防除効果を向上させる効果のある資材は、DCIP乳剤(未登録)のみである。(図2,図3)
- 太陽熱土壌消毒処理による黄化病防除効果により、ハクサイの収量は著しく向上する。(表1)
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成果の活用面・留意点 |
- 露地ほ場で太陽熱土壌消毒を行うためには、用水が利用できること、ほ場を被覆する廃ビニルフィルムなどが入手できることが条件である。
- 夏季の天候が不順で、地温の上昇が不十分な年の防除効果や山間部等で地温の上昇の見込めない地域での防除効果は不明である。
- DCIP剤は農薬登録上ネコブセンチュウ防除剤として使用が可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
かき
土壌改良
土壌くん蒸
土壌消毒
なす
農薬
はくさい
ふき
防除
薬剤
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