タイトル |
ロックウール栽培におけるバラ疫病対策 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ロックウール栽培のバラ疫病対策には、メタラキシルル剤(未登録)が有望である。ヒドロキシイソキサゾール・メタラキシル液剤(未登録)は、メタラキシル濃度2ppm以下で菌糸伸長を50%抑制し、ヒドロキシイソキサゾール濃度が100ppm以下では、挿し木の発根を促進し、予防に効果がある。
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背景・ねらい |
ここ数年、ロックウール栽培バラにおいて疫病の発生事例が増加し、挿し木苗や購入接木苗を第1次伝染源として、汚染はロックウール施設全体に広がっている。そこで、有効な薬剤の探索とその使用法を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- メタラキシルの疫病菌に対する50%菌糸伸長抑制濃度は2ppm以下で、80ppm以上では完全に菌糸伸長を抑制した(図1)。
- 予め疫病菌を接種したロックウール栽培バラ3品種に、マンゼブ・メタラキシル水和剤(未登録)を直接株元に灌注した結果、発病株が減り、根の疫病菌も少なくなり、防除効果が認められた(表1)。
- マンゼブ・メタラキシル水和剤(未登録)、ヒドロキシイソキサゾール・メタラキシル液剤(未登録)を用いて、メタラキシル濃度を2ppmに調整した養液を4品種のバラの生育初期から5か月以上連続ノズル灌注した結果、`ローテ・ローゼ'では生育初期にマンゼブ中のマンガンの過剰供与により鉄欠乏症が発生した(表2)。
- ヒドロキシイソキサゾール・メタラキシル液剤(未登録)を挿し木苗に対して灌注した結果、市販品の 300倍希釈では全株枯死するが、3,000倍希釈より低濃度では、根数、根長も安定し、発根促進効果が認められた(表3)。
- 以上のことから、ロックウール栽培のバラ疫病に対しては、ヒドロキシイソキサゾール・メタラキシル液剤(未登録)を用いて、養液中のメタラキシル濃度を2ppmに調整し、養液と同時に給肥すると、疫病の予防が期待できると考えられた。
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成果の活用面・留意点 |
- バラ疫病にはメタラキシル剤(未登録)が有望であるが、登録薬剤でないため使用できない。そのため有効薬剤の早期と登録が望まれる。
- マット温度の上昇は、根の活力や発根力が低下し、疫病の被害を大きくするので、マット温度を下げると、より効果的である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
挿し木
ばら
品種
防除
薬剤
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