胚軸切断挿木法を用いた細菌の分離法及びその細菌の植物組織内定着法

タイトル 胚軸切断挿木法を用いた細菌の分離法及びその細菌の植物組織内定着法
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1996
要約 双子葉植物幼苗の胚軸を切断し、土壌に挿木すると、植物組織内に細菌が取り込まれる。本現象を応用し、細菌の選抜法として胚軸切断捕捉法を、分離した細菌の植物組織内定着法として胚軸切断接種法を開発した。
背景・ねらい 作物病害の微生物による生物学的防除技術を確立するためには、多くの微生物の中から防除効果の高い微生物を効率的に選抜することが必要である。また、その微生物が長期間、安定的に定着することが重要となる。そこで、効率的な微生物の選抜法と植物組織内定着法の開発を図る。
成果の内容・特徴
  1. 土壌細菌の分離法
    • 本葉0.5~3葉前後に生育した双子葉植物の胚軸を切断し、多種の微生物が存在する土壌に挿木して育苗する。その植物体の茎部(特に胚軸部)を表面殺菌後、ペプトン水を加え乳鉢で磨砕し、細菌用培地に画線、または塗布して、出現したコロニーを単離する。本法(胚軸切断捕捉法と命名、図1)により、その植物に親和性のある細菌の分離が可能で、現在までに組織内定着細菌を11科30植物から分離選抜した。また、分離した細菌の一部は、挿木土壌に病原菌を加え、生き残った数%の個体の組織内より分離した。
  2. 分離した細菌の植物組織内定着法
    • 本葉0.5~3葉前後に生育した双子葉植物の胚軸を切断し、切り口を10,000,000cfu/ml前後の細菌浮遊液に2時間浸漬接種して挿木すると、細胞間隙に細菌が定着する。本法を胚軸切断接種法と命名した(図1)。接種した植物は接種菌株によって、病害防除効果や生育促進効果が認められる(表1、表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 胚軸切断捕捉法は、生物防除に用いる細菌の分離選抜法として活用できる。
  2. 胚軸切断接種法は供試植物や菌株によって、病害防除効果や生育促進効果が異なるため、供試植物及び供試菌株の組合せに留意する。また、効果発現の作用機作の解明及び簡易検定法の開発を行う必要がある。
図表1 215221-1.gif
図表2 215221-2.gif
図表3 215221-3.gif
カテゴリ 病害虫 育苗 簡易検定法 防除

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