タイトル |
チリカブリダニと殺虫剤を組み合わせた促成栽培イチゴでの害虫防除法 |
担当機関 |
埼玉県園芸試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
チリカブリダニへの薬剤影響評価を行い,その結果を基に促成栽培イチゴで薬剤とチリカブリダニを組み合わせた防除を行ったところ,アブラムシ並びにハダニをよく防除できた。
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背景・ねらい |
イチゴのハダニを対象とした防除資材にチリカブリダニが農薬登録されたが,他の病害虫を対象に薬剤防除する場合,チリカブリダニに悪影響がある薬剤は使うことができない。そこで,チリカブリダニへの薬剤の影響の度合いを評価し,その結果を基に薬剤とチリカブリダニを組み合わせた防除体系を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 散布剤及び粒剤処理によるチリカブリダニへの影響試験を行った。ハダニ及びアブラムシ対象の薬剤で,チリカブリダニに影響がないイチゴ対象の散布剤は発見できなかった。イミダクロプリド,ベンフラカルブ,カルボスルファンの各粒剤はチリカブリダニへの影響が少なかった(表1)。アブラムシへの効果はイミダクロプリド及びベンフラカルブ粒剤が高かった。
- 本圃にイミダクロプリド粒剤の0.5gを植え穴処理した区では,ワタアブラムシの発生を全期間押さえたのに対し,チリカブリダニ単独処理区ではワタアブラムシが多発した(図1)。一方,イミダクロプリド粒剤単独処理の区ではナミハダニが増加したのに対し,イミダクロプリド粒剤(定植時)とチリカブリダニ(開花期後に2回)を処理した区ではハダニとワタアブラムシの発生を押さえた(図1~図2)。また,アセタミプリド水和剤とチリカブリダニの組合せもワタアブラムシとハダニを良く押さえたが,イミダクロプリド粒剤とチリカブリダニの組合せよりも劣った。
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成果の活用面・留意点 |
- チリカブリダニの活動が最も期待できる温度は,20~25℃である。そのため,チリカブリダニの放飼は栽培温度が低くならない保温開始以降収穫期以前の開花期が望ましい。
- イミダクロプリド粒剤はミツバチに約1か月程影響があるので,定植後蜂を放す期間が短い超促成栽培などの作型には使用できない。
- アセタミプリド水和剤はミツバチへの影響が少ない反面,チリカブリダニに若干の影響があるので,散布後にチリカブリダニの再放飼が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
いちご
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