タイトル |
キタネグサレセンチュウに対する非寄生作物、サトイモの密度低減効果 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1995~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
前作にサトイモを栽培すると、キタネグサレセンチュウの密度を休耕並に抑え、後作ダイコンの同線虫による被害を回避することが出来る。
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背景・ねらい |
耕種的防除法の一つに対抗植物を利用した線虫防除がある。これらは、高い線虫密度低減効果を発揮するが、それ自体商品価値がないため、普及・拡大に至っていない。そこで、線虫防除と収益性を兼ね備えた非寄主作物を選択し、それらを前作に取り入れて後作物の線虫被害回避をねらう。
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成果の内容・特徴 |
キタネグサレセンチュウ発生圃場において、1年目に非寄主作物のサトイモ、寄主作物のインゲンマメ→シュンギク、対抗植物のマリーゴールド、休耕区の4処理区(1区9.72㎡、3連制)の試験区を設け、それぞれの区の跡地に2年目に根菜類を栽培したところ、以下の結果を得た。- 非寄主作物、サトイモの栽培は休耕と同等の密度低減効果を示し、収穫時の線虫密度を播種時の11%に低下させた(表1)。
- 異なる前作物跡地にニンジン、ゴボウ、ダイコンを栽培した結果、いずれも前作物のマリーゴールド、サトイモ、休耕、インゲンマメ→シュンギクの順に線虫密度抑制効果が高かった(表2)。
- サトイモはマリーゴールドと同等程度で、休耕より高く3種根菜類の線虫密度を低下させ、ダイコン肥大根表面の病斑指数を良く抑えた(表2)。
- ダイコン病斑指数(Y)と栽培前線虫密度(X)との間に=7.14+7.47lnX(r=0.878**)の関係が認められた。この関係式から、播種時に土壌20g当たり、幼虫数が20頭の場合には、病斑指数は25%(被害程度小)となるが、この程度に線虫密度を抑えることが必要である。
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成果の活用面・留意点 |
ミナミネグサレセンチュウの混発している圃場では、サトイモが寄主のため使用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
いんげんまめ
ごぼう
さといも
しゅんぎく
だいこん
にんじん
播種
防除
マリーゴールド
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