露地トマト圃場における天敵出芽細菌のネコブセンチュウ抑制効果

タイトル 露地トマト圃場における天敵出芽細菌のネコブセンチュウ抑制効果
担当機関 茨城県農業総合センター
研究期間 1996~2000
研究担当者
発行年度 1996
要約 サツマイモネコブセンチュウの発生する露地トマト圃場へ天敵出芽細菌を土壌処理すると,同細菌の密度はトマトの連作とともに増加し,サツマイモネコブセンチュウ生息密度および根こぶの形成が抑制され,生育・収量が向上した。
背景・ねらい 畑作物のネコブセンチュウに対して土壌くん蒸剤などの殺線虫剤が使用されているが,残効性が短いため作物を連作するとネコブセンチュウの密度が著しく高まり,防除が困難となる。
一方,薬剤の過剰施用は危被害の発生や土壌や地下水の汚染など環境への悪影響が心配される。そこで, サツマイモネコブセンチュウに特異的に寄生する天敵出芽細菌Pasteuria penetrans(パストリア菌)を利用して薬剤の短所を補い,且つ省農薬につながる防除技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 露地トマトの初作前にパストリア菌胞子を土壌混和し4年間に6作連作した結果,ネコブセンチュウ2期幼虫への胞子付着率(感染率)は連作2作目以降に急激に上昇し,5作目以降には付着率は約90%となった(図1)。
  2. 土壌中のネコブセンチュウ2期幼虫密度は,殺線虫剤(オキサミル粒剤またはホスチアゼート粒剤30kg/10a)の処理区で年によって無処理区よりも高密度となったのに対して,パストリア菌を処理した区ではトマト連作とともに漸減する傾向を示した(図2)。
  3. トマトの連作期間を通して無処理区の根こぶ指数は約70以上であったの対して,パストリア菌処理区では4作目以降に根こぶ指数の顕著な低下が認められた(図3)。
  4. パストリア菌処理区では,3作目以降に無処理区と比較して生育が旺盛となり,5作目以降には殺線虫剤処理より収穫量が優った(図4)。
成果の活用面・留意点 他の畑作物および野菜などのネコブセンチュウ防除に利用の可能性がある。なお,実用化について更に検討を必要とする。
図表1 215232-1.gif
図表2 215232-2.gif
図表3 215232-3.gif
図表4 215232-4.gif
カテゴリ 病害虫 土壌くん蒸 土壌処理 トマト 農薬 防除 薬剤

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