タイトル |
バラロックウール栽培のホウ素等微量要素管理による品質向上 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
バラのロックウール栽培では、夏期高温対策として、培養液の濃度を下げ、低EC管理する場合ホウ素等の微量要素不足を招かないよう、濃厚原液作成時に微量要素の量を設定EC値に応じて増やすことにより生育障害が回避でき、切り花品質が向上する。
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背景・ねらい |
全国的な栽培面積の急増等により、バラの市場価格は低迷しておりバラ農家は今まで以上に高収量、品質向上が求められている。バラ農家は、高温期も休まず採花して、年間収量を確保している。ところが、特に夏の暑い年は、茎が曲がりしかも褐斑を生じる生育障害が発生し、あるいはその他にも茎葉の軟弱化等により著しく品質低下を招いている。この生育障害の原因解明と防止策及び微量要素管理による品質向上対策を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- バラのロックウール栽培において、生育障害「茎褐斑症」(写真)は、夏の暑い年(平成6年、7年) に発生する。これは、品種間差もあり、生育旺盛な品種で発生しやすい。
- この生育障害は高温のため低EC管理(O.7~1.2mS/cm)をしたロックウール栽培農家に多く発生し、障害発生株は正常株に比べ、茎のホウ素含有率が低く 、給液及びマット内のホウ素濃度も著しく低い (表1、表2)。
- 夏期高温対策として、培養液濃度を低くする場合も、微量要素濃度(ホウ素)を標準濃度にすることで、 茎葉のしまった高品質の切り花が得られる(表3)。特に、ホウ素濃度についてはホウ素不足による品質低下を招かないように適正濃度(0.20~0.30ppm)を維持する。
- 以上、バラのロックウール栽培においては、給液濃度(EC)にかかわらず微量要素濃度は常に標準濃度の0.75~1.25倍とする(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 夏期高温期は、培地温、室温の低下を図るため、細霧冷房、地下水を利用したマット冷却等を行ない、あわせて高品質生産に対処できるように培養液管理のマニュアルを修正する。
- ホウ素は、微量要素のうちでも適正値(0.20~0.30ppm)の幅が狭いため、適正濃度の維持に留意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
高温対策
ばら
品種
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