タイトル |
群馬県嬬恋村キャベツの根こぶ罹病株と健全株における根圏細菌相の特徴 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1996~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
群馬県嬬恋村キャベツの根圏細菌相は、キャベツが健全な場合と根こぶ病の被害を受けた場合で異なっていた。前者ではキャベツの生育を促進する蛍光性Pseudomonas が、後者では Enterobacteriaceae と Burkholderia が高頻度に分離された。
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背景・ねらい |
根圏糸状菌相と畑作物の生育との関係については解析が行われてきたが、根圏細菌相についての詳しい情報を得ることは手法上の問題から困難であり、実態が不明瞭であった。ここでは、群馬県嬬恋村のキャベツを対象に、健全なキャベツ及び根こぶ病による被害を受けた不健全なキャベツでの根圏細菌群の構成を明らかし、根圏細菌相の改善に資する。
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成果の内容・特徴 |
- 方法:群馬県嬬恋村の5つの圃場からキャベツの根を採取し、合計 260菌株の根圏細菌を分離した。(図1 脚注)。
- これらの菌株について、菌体脂肪酸組成を解析して類別した。また、各菌株をキャベツ種子に接種してポット栽培し(5週間)、キャベツの初期生育に及ぼす影響を検討した。
- 根こぶ病の被害を受けたキャベツ根内・根面からは Enterobacteriaceae と Burkholderia と類別された細菌が高頻度に分離された(圃場-160,260右上,1650)。(図1)。
- このうち、Enterobacteriaceae を接種した場合にはキャベツの生育が抑制される場合が多かった。
- これらが根内から分離されない場合(圃場-160)、生育を阻害する (DRB) 蛍光性Pseudomonas が多く分離された。
- 一方、キャベツが健全に生育する圃場-10上の根内からはキャベツの生育を促進する (PGPR) 蛍光性Pseudomonas が多く分離された。
- その他に、Comamonadaceae、Xanthomonas, Agrobacterium, Cytophaga が分離された。(図1)。
- Xanthomonas に PGPR は多く、Comamonadaceae と Agrobacterium では PGPR と DRB両方が存在した。
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成果の活用面・留意点 |
分離菌は、採取したキャベツの根を人工培地で培養した時に出現した細菌コロニーから得たものである。(図1 脚注)。
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図表1 |
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カテゴリ |
肥料
キャベツ
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