酒米「五百万石」の安定栽培法と心白の発現条件

タイトル 酒米「五百万石」の安定栽培法と心白の発現条件
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 1994~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 酒米「五百万石」は早植ほど心白発現率は高いが、収量が不安定になることから移植適期は5月下旬である。安定して高い収量・品質を得るには総籾数26,000粒/㎡前後で玄米千粒重26g以上の確保が重要であることから、基肥窒素は2~3kg/10a、栽植密度は22.2株/㎡とし、穂肥は出穂前10日に窒素4kg/10a(緩効性肥料LP40日タイプを50%含む)程度を施用する。
背景・ねらい 米の産地間競争が進む中で、良食味・高品質化とともに新たな用途の拡大・開発が望まれている。本県では県内産の良質な酒米の生産、地場産業の振興を目的に平成3年より4年間、酒米生産実験事業が取り組まれ、各地域に適応する酒造用好適米品種の選定等が行われた。そのような状況の中で、県内酒造メーカーと契約率の高い酒造用好適米「五百万石」の安定多収栽培法の確立、及びその肥培管理法と心白発現等の酒米としての品質との関係について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 移植時期が早いほど心白発現率は高いが、出穂期がかなり早まることから雀害を受けやすく、また障害型冷害の危険性が高くなることから収量は不安定となる。これらのことから移植適期は5月下旬で、7月末頃出穂させる。(図1)
  2. 玄米千粒重が26g未満になると心白発現率が急激に低下し、玄米粗蛋白含量は高くなることから、酒米としての品質安定の面で玄米千粒重は26g以上必要である。玄米千粒重は総籾数との相関が高く、総籾数は26,000粒/㎡前後、玄米重580~600kg/10a、倒伏 2.0以下が適正生育量と判断される。(図2、図3)
  3. 基肥窒素6kg/10aでは倒伏が多く低収で、同4kgでは収量性は高いが、総籾数がやや過剰で心白発現率等の品質面が不安定であることから、基肥窒素は2~3kg程度とする。(表1、図2、図3)
  4. 収量及び品質に対する栽植密度の影響は小さいが、疎植にすると稈長が伸びやすく、倒伏増加が懸念されることから、栽植密度は慣行の22.2株/㎡とする。(表1)
  5. 出穂前13日の穂肥は収量確保に有利であるが、安定して高い心白発現率を確保するため、穂肥時期は出穂前10日頃、穂肥窒素量は4kg/10a程度(緩効性肥料LP40日タイプを50%含む)施用する。(表1)
成果の活用面・留意点 穂肥に速効性窒素のみの肥料を用いた場合、1回に施用する窒素成分量は3kg/10aを限度とし、可能な限り2回に分施する。
図表1 215272-1.gif
図表2 215272-2.gif
図表3 215272-3.gif
図表4 215272-4.gif
カテゴリ 肥料 酒造好適米 凍害 肥培管理 品種 良食味

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