不耕起移植の継続に伴う水稲の生育、収量の変化と施肥法

タイトル 不耕起移植の継続に伴う水稲の生育、収量の変化と施肥法
担当機関 千葉県農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 中粗粒強グライ土における不耕起移植栽培では、1~2作目は慣行移植並の施肥量では生育量が不足し、減収するが、中間追肥の施用により籾数、収量は慣行移植並となる。しかし、年数経過に伴って分げつ数と穂数は増加し、5作目以降は中間追肥により倒伏程度が大きくなるので、施肥量は慣行移植並とする。
背景・ねらい 稲作における代かき作業の集中は、規模拡大の制約要因となっているほか、複合経営農家では、他部門と労働力の競合を生じている。
そこで、慣行移植栽培の代かき作業を省略できる不耕起移植栽培を確立するため、栽培年数が早期移植水稲の生育・収量に及ぼす影響を中粗粒強グライ土(日減水深10mm)の水田で「コシヒカリ」を用い6年間継続調査し、慣行移植栽培と比較検討した。
なお、6年間の栽植密度は慣行移植では19.6株/平方メートルであったが、不耕起移植ではは22.2~25.6株/平方メートルと多く、年次間の変動が大きかった。
成果の内容・特徴
  1. 不耕起移植における幼穂形成期の株当たり茎数と株当たり穂数は、年数の経過に伴って慣行移植との生育差は小さくなる。
    移植25日後に2.0kg/10a、45日後に1.5kg/10aの窒素を中間追肥することにより、株当たり穂数は5,6作目にほぼ慣行並となる。
    これにより、1~4作目の平方メートル当たり穂数はほぼ慣行移植並となり、5,6作目では慣行を上回る。(図1)
  2. 不耕起移植による平方メートル当たり籾数は、慣行移植並の施肥(基肥N3kg/10a,穂肥N3kg/10a)では、1~3作目は少ないが、4作目以降は慣行移植並となる。
    中間追肥の施用により平方メートル当たり籾数は慣行移植並となり、5,6作目には慣行移植より多くなる。(図2)
  3. 不耕起移植における収量は、慣行移植並の施肥では、1,2作目は10~15%減収するが、3作目以降は慣行並となる。
    中間追肥の施用により1作目からほぼ慣行移植並の収量となり、5,6作目で増収となる。
    しかし、中間追肥の施用により5~6作目は倒伏が著しくなるので、5作目以降は中間追肥の施用を省き慣行並の施肥量とする。(図3)
成果の活用面・留意点 得られた成果は、温暖地における4月下旬稚苗移植の早期栽培に適用できる。
図表1 215278-1.gif
図表2 215278-2.gif
図表3 215278-3.gif
カテゴリ 肥料 規模拡大 経営管理 水田 水稲 施肥

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