早期栽培地帯の乾田直播栽培における「コシヒカリ」の安定生産のための生育指標

タイトル 早期栽培地帯の乾田直播栽培における「コシヒカリ」の安定生産のための生育指標
担当機関 千葉県農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 早期栽培における乾田直播の「コシヒカリ」で500~540kg/10aの収量を得るには、稈長を90㎝以下とし倒伏を避け、苗立ち数100~150本/平方メートル、幼穂形成期の茎数450~500本/平方メートル、穂数330~360本/平方メートル、籾数28,000~30,000粒/平方メートルが適当である。
背景・ねらい 乾田直播栽培は省力的な水稲の栽培技術であり、湿田の多い千葉県でも条件が整った圃場では普及が可能である。現在乾田直播栽培の技術体系を策定しているが、直播栽培では出芽、苗立ちが不安定で目標通りの苗立ち数を得ることが難しく、移植栽培以上に生育の診断とそれに応じた生育制御が必要となる。そこで、奨励品種の「コシヒカリ」を対象として、安定生産のための生育指標を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 収穫作業に支障を来す中程度以上の倒伏を避けるためには、移植栽培と同様に稈長を90㎝以下にすることが必要である(図1)。稈長90㎝を倒伏の限界とした場合、幼穂形成期の草丈は70~75㎝以下にする必要があり、移植栽培における基準とほぼ同様である。
  2. 収量レベル500~540kg/10aを安定して確保するための生育及び収量構成要素の指標を明らかにした。精玄米重は平方メートル当たり籾数が多いほど重くなるが、28,000粒/平方メートル以下では変動巾が大きく、目標収量を安定して得るには28,000~30,000粒/平方メートルが必要である(図2)。
  3. 平方メートル当たり籾数は穂数が多いほど多くなった。目標の平方メートル当たり籾数28,000~30,000粒を得るには倒伏も考慮して330~360本/平方メートルの穂数(一穂籾数で80~90粒)が必要である。
  4. 幼穂形成期の茎数が多いほど穂数が多くなり、330~360本/平方メートルの穂数を得るには幼穂形成期の茎数は450~500本/平方メートル必要である。
  5. 幼穂形成期の茎数450~600本/平方メートルを得るためには、苗立ち数は100~150本/平方メートルが適当である(図3)。
  6. 目標収量500~540kg/10aとした場合の生育指標は表1の通りである。
成果の活用面・留意点
  1. 目標収量を得るための指標を明確にすることにより、生育制御を通じて栽培の安定化が可能となる。
図表1 215282-1.gif
図表2 215282-2.gif
図表3 215282-3.gif
図表4 215282-4.gif
カテゴリ 乾田直播 栽培技術 直播栽培 水稲 品種

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