タイトル |
育苗箱播種を組み込んだ水稲葉いもち圃場抵抗性検定法の改善および発病促進 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
検定する系統を育苗箱に播種し、それを圃場に設置する方法で、天候に左右されずに作業ができ、作業改善にもなった。防風・遮光ネットの設置、スプリンクラーによる散水、罹病葉の散布により気象条件に左右されずに葉いもち検定を行うことができた。
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背景・ねらい |
千葉県では水稲の育種事業を平成3(1991)年度に水田作営農研究室で開始したが、圃場は平場で風が強く、葉いもちの圃場抵抗性検定を常法どおり畑晩播で実施しても発病が安定しなかった。また、圃場での播種作業が梅雨期となるため計画的に進めることが難しく、腰をかがめた姿勢で作業を行うため、作業員の肉体的苦痛も大きいなど問題点が多かった(図1)。そこで、天候に関係なく計画通りに実施でき、しかも楽な姿勢で作業を行うため、稚苗育苗用の育苗箱を使う播種方法と発病促進方法を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 火山灰土の心土に肥料、殺菌剤を混合して育苗箱につめ、播種溝をつけて供試系統を播種し、あらかじめ施肥、耕耘整地し、発病促進のため蒙古稲を播種した圃場にこの育苗箱を設置した。(図1)
- 検定圃場に鉄パイプ(直径48.5mm)で枠をつくり、全体を遮光率45%の防風ネットで覆い、霧状に散水できるスプリンクラーで灌水も兼ねて朝夕2回散水した。さらに、イネ4葉期頃ビニールハウスで用意したいもち病の罹病葉を散布した。(図2、図3)
- 従来の直播きに比べ、出芽や生育は極めて均一で、立枯病などもみられなかった。(図2)また、雀害を防ぐことができた。
- 平成8(1996)年度は空梅雨であったが、葉いもちの発生、進展はスムーズで、標準品種の発病程度も既知の傾向と同様であった。(表1)
- 従来の播種方法と比べると、用土の混合や育苗箱の片づけ等の時間が余分にかかった。しかし、育苗箱を用いることで雑草の発生が抑えられ、検定中2回行っていた除草作業を省略でき、全体的には作業時間は同等か少なくなった。しかも、肉体的苦痛も少なくすることができた。
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成果の活用面・留意点 |
- 葉いもち検定作業の省力、効率化に有効である。
- 発病の少ない場所での葉いもちの発病促進に有効である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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