水稲「どんとこい」の奨励品種採用

タイトル 水稲「どんとこい」の奨励品種採用
担当機関 静岡県農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 多収で良食味の晩生水稲粳品種「どんとこい」を「月の光」に替えて奨励品種に採用する。標高300~500mの地帯に普及し、静岡県の高冷地地帯における熟期構成の適正化を図る。
背景・ねらい 昭和62年に奨励品種に採用された「月の光」は、高冷地地帯では晩生で、倒伏に強く、玄米品質が良好な品種である。しかし、食味が優れないため作付けが減少しており、北駿地域では中生の「コシヒカリ」に作付けが集中し、収穫、乾燥時の施設・機械の競合や、特産野菜のミズカケナ栽培跡地での倒伏が問題となっている。このため、晩生で、倒伏に強く、安定多収の良食味品種を選定する。
成果の内容・特徴 「どんとこい」は、北陸農業試験場で「北陸122号」を母とし、「北陸120号」を父とした交配組み合わせから育成された。
「月の光」と比較して以下のような特性がある。
  1. 出穂期は6日程度早いが、粒着程度が密で登熟期間が長いため、成熟期は同じ~3日早い晩生品種である。中生品種の「コシヒカリ」に比べると成熟期は7~12日遅い(表1、表2)。
  2. 稈長は5cm程度短く、倒伏には同程度に強い。穂長は4cm程度短く、穂数は多い(表1)。
  3. 玄米千粒重は、ほぼ同じで、外観品質はやや劣る。収量性、食味は優る(表1、表2、表3)。
  4. 葉いもち抵抗性は「中」でやや劣る。穂いもち抵抗性は「やや弱」で劣る。穂発芽性は同程度の「やや易」、白葉枯病抵抗性は「やや弱」でやや劣る(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及地帯は高冷地地帯とするが、標高500m以上では、成熟期が遅れ、品質を落とす原因となるので栽培を避ける。
  2. 登熟期間がやや長いので、早期落水を避け、品質の向上に努める。
  3. 耐倒伏性は強いが、過剰な施肥は、穂いもちの発生を助長し、食味を落とす原因となるので避ける。

図表1 215290-1.gif
図表2 215290-2.gif
図表3 215290-3.gif
カテゴリ 乾燥 水稲 施肥 抵抗性 なばな 品種 良食味

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