タイトル |
ビール大麦「きぬか二条」の栽培法 |
担当機関 |
埼玉県農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
オオムギ縞萎縮病抵抗性を有し、栽培性、醸造適性に優れた「きぬか二条」の栽培法を明らかにした。播種期は11月上旬から中旬、播種様式は条播が適する。播種量は0.7kg/a、施肥量は全量基肥0.9kg/aで安定多収が得られる。
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背景・ねらい |
ビール麦の生産安定を図るため、オオムギ縞萎縮病抵抗性を有し、栽培性、醸造適性に優れた新品種の導入が要望されるなか、平成9年度から「きぬか二条」を準奨励品種として採用予定である。そこで、本品種の特性を活かした栽培法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 条播(条間30cm)は全面全層播よりも有効茎歩合が高く、穂数、1穂粒数を多く確保できる。また千粒重も大きく、収量性が高い。(表1)
- 11月15日播は4日播種と比べ出穂期が5日、成熟期が7日遅れるが、整粒歩合の低下もなく、収量性に差はない。(表2)
- 分げつの発生が多く、播種量0.5kg/aでも最高分げつ期の茎数は播種量0.7kg/aと同等に確保できるが、穂数は0.7kg/aが確保しやすく、収量性が高い。
- 施肥量は0.7kg/aでは穂数が少なく低収となる。1.1kg/aでも倒伏なく、穂数を多く確保できるが、千粒重、整粒歩合の低下により、ビール麦としての収量が低下し、粗蛋白含量も許容範囲を越える。収量、品質面から施肥量は0.9kg/aが適正である。(表3)
- 全量基肥施用よりも追肥体系で有効茎歩合の向上と1穂粒数の増加が見られる。追肥により粗蛋白含量が高まるため、醸造適性維持の面から全量基肥を基本とする。(表4)
- 以上の特徴から安定多収を得るための栽培法は以下のとおりである。
- 目標収量48~54kg/a(ビール大麦)
- 播種様式条播(条間30cm)
- 播種期11月第1半旬~第3半旬
- 播種量0.7kg/a
- 施肥量0.9kg/a(N.P2O5.K2O、全量基肥施用)
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成果の活用面・留意点 |
- 多収性を発揮させるために、基本となる土つくりを励行する。
- 暖冬、多雨等で肥切れが早く茎数不足が予想される場合は、0.2kg/aを上限として追肥を実施する。
- 適用地帯はキリン社契約のオオムギ縞萎縮病多発地帯とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
土づくり
萎縮病
大麦
くり
新品種
施肥
多収性
抵抗性
播種
品種
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