タイトル |
酒造好適米「ひだほまれ」に対する育苗箱全量施肥法 |
担当機関 |
岐阜県高冷地農業試験場 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
溶出特性の異なる育苗箱施肥用被覆尿素(LPS60・LPS80)を配合することにより、初期生育および玄米粗蛋白含量を考慮した、酒造好適米「ひだほまれ」に対する育苗箱全量施肥が可能で、高精白適性の向上も期待できる。
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背景・ねらい |
山間高冷地は中小区画水田が多く、移植適期が狭いことから、新たな機械装備が不要な、省力施肥法の開発が望まれていた。 そこで、穂重型の酒造好適米「ひだほまれ」の品種特性に合わせ、2種以上の肥効調節型緩効性肥料を組み合わせた育苗箱全量施肥法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 用いる肥料はLPS60(N-40%)とLPS80(N-40%)とし、配合はLPS60を2、LPS80を1の割合とする(溶出特性図1)。
- 施肥量は10a当たり箱数が17枚の場合、箱当たり900g(N-6.1kg/10a)を基準とする。窒素施用量は慣行体系施肥(全層基肥+穂肥)より約20%減量できる(表1、表2、表3)。
- 移植時の苗質は慣行育苗と同等かやや優る。本田生育は分げつ数が劣ることもあるが、慣行体系施肥並の穂数が得られる(表1,表2)。
- この施肥法で慣行体系施肥と同等の収量が得られる(表3)。
- 玄米粗蛋白含量も高まることはなく、心白発現率・心白率が低下し、高精白適性が向上する(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 箱施肥は窒素成分だけとなるため、燐酸および加里成分は別途土壌改良材等で年1回は必ず施用する。
- 配合肥料は育苗培土の床土部分に培土と混合しないで入れる。
- 通常の育苗に比べ、保水力が劣るため、水分不足による出芽むらを生じやすいので、潅水および催芽を充分行い、積重方式による電熱出芽とする。また、育苗期間中も水切れしないように潅水に留意する。なお、育苗は20日間の稚苗とする。
- この肥料配合は穂重型の`ひだほまれ'専用で、他の品種には適用しない。
- 肥料は箱施肥用のものを使用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
酒造好適米
水田
施肥
土壌改良
品種
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