タイトル |
高精白向き酒造用水稲新品種候補系統「飛系酒61号」 |
担当機関 |
岐阜県高冷地農業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
水稲「飛系酒61号」は「ひだみのり」と「ひだほまれ」の交配から育成した系統である。熟期は「ひだみのり」並の晩生で、「ひだほまれ」より心白が小さく高精白に適し、酒造適性が優れる。
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背景・ねらい |
岐阜県の酒造好適米奨励品種「ひだほまれ」は酒造特性は優れるが心白率が高すぎ高精白に向かない。 そのため、酒造業界から「ひだほまれ」の特性を変えることなく、心白を小型化した品種の育成が望まれている。
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成果の内容・特徴 |
- 「飛系酒61号」は1985年に岐阜県高冷地農業試験場で、「ひだみのり」を母に、「ひだほまれ」を父にして交配し、その後代から育成した酒造用系統である。
- 成熟期は「ひだほまれ」より14日遅く、「ひだみのり」より4日早く、育成地では晩生に属する。
- 稈長は両親より僅かに長い中稈で、穂数は「ひだほまれ」より多く、「ひだみのり」より少ない偏穂重型である。草姿は「ひだほまれ」に似ている。
- 千粒重は26.9g程度の大粒で「ひだみのり」並であるが「ひだほまれ」より1.7g小さい。
- 「ひだほまれ」より心白発現率、心白率とも低く、高精白に適する。
- いもち病真性抵抗性遺伝子はPi-a,Pi-kmを持つと推定され、葉いもち・穂いもちとも圃場抵抗性は強い。耐冷性は中、穂発芽性は易である。
- 醸造適性は「ひだほまれ」に比べ吸水速度がやや遅いほかは、差がない。
- 「飛系酒61号」は平成8年度品種登録申請予定である。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培適地は現在「コシヒカリ」が栽培されている範囲である(標高600mまで)。
- 穂発芽しやすいので、適期刈りに務める。
- 耐倒伏性は強いが、酒米であるので多肥栽培は避ける。
- 縞葉枯病には罹病性であるので、常発地での栽培は避ける。
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図表1 |
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カテゴリ |
いもち病
縞葉枯病
酒造好適米
新品種
水稲
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
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