メッシュ気象情報を利用した水稲発育ステージ予測

タイトル メッシュ気象情報を利用した水稲発育ステージ予測
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1996
要約 水稲品種コシヒカリ、祭り晴、葵の風、あいちのかおりについて、メッシュ気象情報を用いて、任意の移植期の発育ステージをリアルタイムに1kmメッシュで予測できるシステムを構築した。予測情報は農業研究情報ネットワークシステムにより普及センターからも検索できる。
背景・ねらい 本県は良質米の安定生産を、水稲の発育ステージに対応した適切な肥培管理で行っている。発育ステージ予測情報は農業総合試験場内の実測気温に基づいて提供されてきた。しかし、県下の任意の品種、作期に対応した予測には限界があった。そこで、メッシュ気象情報を利用した水稲発育ステージ予測システムを構築することで、県内の任意の地点、移植期につき、リアルタイムで主要品種の発育ステージの予測を行う。
成果の内容・特徴
  1. 発育ステージ予測情報は、場内ホストコンピュータを用い、気象情報提供会社からのアメダスデータの受信、リアルタイムメッシュ気象データの演算、及び今回構築した水稲発育ステージ予測システムによる水稲発育ステージの演算、電子掲示板への掲載によって提供している。発育ステージの演算は毎日行われ、翌日9時までに電子掲示板に掲載されるので、普及センター端末で常に最新データの利用が可能となる(図1)。
  2. 発育ステージは、平年又は前年との日数差又はDVI値差として、1kmメッシュ単位で階調表示される。メッシュ表示は県下全体や一部地域の拡大ができる。また、任意の1kmメッシュを選択することで、具体的な日数差やDVI値差の数値データも確認可能である(図2)。
  3. 播種期、移植期、出穂期が明かな県内平坦部における奨励品種決定現地圃場につき、本システムを利用して、予測精度を検証した。その結果、予測出穂期から実際の出穂期を差し引いた予測誤差の絶対値平均は4品種全体では1.7日、標準偏差は2.3日であった(表1)。
  4. 発育ステージ予測には、農研センターで開発されたノンパラメトリック法DVR解析プログラム2DIMNONにより策定したDVR関数を用いた(関数表は省略)。関数作成のための作期移動試験は4月上旬から7月中旬までの期間中、10日おきに移植期を変えて実施した。実施年次と作期数は、コシヒカリが平成元年に9作期、その他の品種は、平成2~7年に2~9作期である。
成果の活用面・留意点
  1. 発育ステージの予測が可能な水稲は、平坦部において葉齢が2.0で移植されたものに限られる。このため、移植時の葉齢を確認する習慣のない実用場面での対応を検討する必要がある。
  2. 予測精度の向上には、品種による地域誤差の修正、メッシュ気温演算の精度及びDVR関数自体の予測精度の向上を検討する必要がある。
図表1 215298-1.gif
図表2 215298-2.gif
図表3 215298-3.gif
カテゴリ 水稲 播種 肥培管理 品種

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