タイトル |
花房着生節位を低下させるトマトセル成型苗接ぎ木法 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1996~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
トマトのセル成型接ぎ木苗において、花房を低節位から安定着生させるためには、穂木の本葉8~9枚時に6~7節位で切断した直上を穂木として用いる。これにより、花房を低節位より安定して着生させることができる。
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背景・ねらい |
トマトの施設栽培では、土壌病害対策と育苗の省力化を目的としたセル成型接ぎ木苗の導入が進みつつある。しかし、セル成型苗の直接定植は草勢が旺盛になりやすいと共に、高温期には第1花房の着生節位が12~15節と高くなりやすい。 そこで、接ぎ木時に穂木の葉齢をかえることにより第1花房の着生節位を低下させると共に、初期の草勢管理を容易にする接ぎ木方法について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 第1花房の着生節位低下のための接ぎ木方法は、図1の手順で行う(7節直上採取穂の接ぎ木例)。このため、穂木(ハウス桃太郎)のは種を台木(新メイト)に比べ、6~7節直上採取穂木で10日、5~4節直上切断穂木で5日早める必要がある(慣行穂木は台木と同時)。
- 第1花房の着生節位は、穂木の7節直上採取接ぎ木株(以下は7節穂株という)が4.8節と最も低くなり、穂木の本葉数を多くし、採取位置を高くするほど着生節位を低下させることが可能である。また、第1花房の着生節位を低下させても、上位花房は安定して着生する。(表1)
- 7節穂株の第8花房までの茎長は、慣行の第6花房までの茎長より短く、同じ摘心高さで着生花房数が2段程度増加する。(図2)
- この接ぎ木方法は、穂木の葉齢を進めておくため、7節穂株の各花房の開花が慣行より2週間程度早くなり、7節穂株の第8花房と慣行の第6花房の開花時期がほぼ同じになる。(図2)
- 第1花房の着生節位が低いほど低段からの茎径が細く、初期の草姿が安定し過繁茂になりにくい傾向にある。(図2)
- 収穫は、穂木の切断節位が高いほど早くなり、収量は、収穫段数が多いほど多くなる。良果率は、採取位置が高いほど高くなり、空洞果率は低くなる。(表2)
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成果の活用面・留意点 |
- 第1花房の着生節位が高くなりやすい8~9月定植の抑制及び促成作型に有効な接ぎ木法である。
- 着果節位が4~5節になると後期の草勢が弱くなり収量が低下する場合があるため、後期の栽培管理に注意が必要である。
- 低節位から花房が着生着果するため、草勢の強くなり易い施設栽培でのセル成型苗の直接定植が可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
栽培技術
施設栽培
省力化
台木
接ぎ木
トマト
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