タイトル |
遮根培地ユニット式養液栽培装置による高糖度トマトの2段穫り密植周年生産法 |
担当機関 |
静岡県農業試験場 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
背景・ねらい |
静岡農試が考案した高糖度トマト栽培法を発展させ周年出荷を実現するため、水分ストレスの付与が可能な遮根培地ユニット式養液栽培装置を用いて、高糖度トマトの2段穫り密植周年生産法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 品種は`ハウス桃太郎'等の完熟系品種を用い、遮根培地ユニット式養液栽培装置(図1)で2段花房上の3葉を残して摘心する。栽植密度は6,700~8,000株/10aとする(図2)。
- 培養液は、大塚SA処方0.5~0.8単位をベースに硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウムを加え、夏季0.3S/m、その他の時期0.4S/mに調節して用いる。
- 季節別の晴天日の給液量は、夏季800~1,000ml/株・日、春季及び秋季700~800ml/株・日、冬季600~700ml/株・日で、生育、天候により適宜調節する。
- 時期別の商品果収量(糖度7%以上、一果重40~150g)は、2~5月収穫で500~650g/株、6月及び11~1月収穫で400~500g/株である(図3)。7~10月収穫では主に尻腐れ果の発生によってやや減少し200~400g/株となる。平均糖度は、7月収穫で7%台となるが、6月及び8~11月収穫で8%以上、1月~5月収穫で9%以上となる(図3)。
- 定植から収穫終了までの所要日数は、12月定植が125日で最も長く、6月定植が76日で最も短かく、年間の作付け回数は最高3.5回が可能である(図4)。
- 本栽培法による10a当たりの経営収支は、年間収量を10.4tとした場合、粗収益10,400千円、経営費7,256千円で、所得3,144千円(所得率30.2%)と試算される(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 給液は日射に応じて制御が可能なコントローラを用いる必要がある。
- 夏季は尻腐れ果発生防止対策(遮光、根域冷却、Ca散布等)を徹底する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
経営管理
栽培技術
出荷調整
トマト
品種
養液栽培
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