ナスの不定胚培養系によって出現する変異の実態

タイトル ナスの不定胚培養系によって出現する変異の実態
担当機関 茨城県農業総合センター
研究期間 1996~2000
研究担当者
発行年度 1996
要約 ナスのNAAまたは2,4-Dを用いた不定胚培養系から再生した個体の変異は花粉稔性や果実等にみられる。また、これらの変異はNAAを用いた培養においてより高頻度に認められる。よって、変異体を得るためにはNAAを用いた培養系が有効であると推定される。
背景・ねらい ナスは茨城県において重要な作物であるが、主要な栽培品種では病害の影響を受けやすく、抵抗性系統の作出が期待されている。現在までのところそれらに対する十分な遺伝資源はなく、台木により回避している。そこで、組織培養による培養変異から抵抗性系統を得ようとする。その前段として、培養系によって出現する変異の実態を明らかにする。
培養変異を利用して有用な系統を得るためには、効率の良い培養系や変異の出現頻度の高い培養系が必要である。ナスでは、NAAまたは2,4-Dを用いた培養系が確立されているが、得られた再生個体の変異については詳しく検討されていない。そこで、NAAまたは2,4-Dを用いてカルスの誘導と植物体再生を行い、変異作出法としての有効性を評価する。
成果の内容・特徴
  1. 植物ホルモンであるNAAまたは2,4-Dを用いてナスの振とう培養を行い、振とう培養の継代時に不定胚(NAA区の場合)や不定胚形成能の高いカルス(2,4-D区の場合)の選抜を繰り返すことで、再生能力の高い懸濁液が得られる(図1)。
  2. NAAを用いた培養系で花粉稔性70%以下の個体が高頻度にみられる(図2)。
  3. NAA、2,4-Dのいずれの培養系においても茎葉の形態、果実の形態などが変異した個体が高頻度に現れている(図3、図4)。しかし、NAAを用いた培養系では、2,4-Dを用いた培養系より変異の種類が多く、出現頻度も高まる。
  4. 以上の結果、培養変異作出のためには、NAAを用いた培養系が有効と思われる。
成果の活用面・留意点 NAAを用いて再生した個体群から、ナスの有用変異個体の選抜を行う。
変異の遺伝性について検討する必要がある。
図表1 215309-1.gif
図表2 215309-2.gif
図表3 215309-3.gif
図表4 215309-4.gif
カテゴリ 遺伝資源 台木 抵抗性 なす 品種

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