ピーマンの幼苗接ぎ木による疫病対策技術

タイトル ピーマンの幼苗接ぎ木による疫病対策技術
担当機関 長野県南信農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 ピーマン露地栽培で疫病抵抗性品種「ベルホマレ」を台木に用い、幼苗接ぎ木を行った苗は自根と同等の生育・収量を示し、立枯性疫病への抵抗性は大苗高接ぎ法のものと同等で、ピーマン疫病対策として有効である。
背景・ねらい ピーマン疫病対策としてTMV-P系・疫病抵抗性品種「ベルマサリ」の利用は有効な防除法であるが、露地栽培では収量がやや少ないなどの点から利用が少ない。このため、抵抗性品種を台木とした接ぎ木栽培の実用化が図られているが、従来の接ぎ木法では苗を大きくして割り接ぎを行うため管理が煩雑である。そこで、セル成型苗を利用した簡易幼苗接ぎ木法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 疫病抵抗性品種「ベルホマレ」を台木とし、は種後30日頃接ぎ木を行う幼苗接ぎ木法の活着率は高く、自根に比べ収穫始めがやや遅れるものの、収量は、自根と変わらない(表2、表4)。また、穂木品種は京ゆたか7、京波、新さきがけ2号、京ゆたかのいずれの品種でも適応性が認められる(表1、表3)。
  2. 疫病抵抗性は、接ぎ木部の高さによる差は認められず、接ぎ木部が地上5cm程度の位置となる幼苗接ぎ木は疫病対策として有効である(表5)。
  3. 台木のは種は、穂木と同日~3日前頃とし接ぎ木時の茎の太さをそろえる。接ぎ木はは種後30日頃が適する。接ぎ木方法は、チューブを用いた斜め合わせ接ぎとし、台木、穂木とも子葉と本葉第1葉の間で切断し接ぎ木する。養生は3~4日位とし、以後慣行のセル育苗による。
成果の活用面・留意点
  1. 接ぎ木位置が低いため、定植はセル苗培地の表面と作土面が同じになるようにし、深植えしない。
  2. 「ベルホマレ」は疫病抵抗性であるが、菌密度の高い環境下では発病のおそれがあるので、連作を避けたり、湿害を防ぐなど他の耕種的防除も併用する。
  3. 「ベルマサリ」はTMV-P系の抵抗性を有し、抵抗性を有しない品種の台木として用いると穂木からの感染時に枯死する場合がある。
図表1 215311-1.gif
図表2 215311-2.gif
図表3 215311-3.gif
図表4 215311-4.gif
図表5 215311-5.gif
カテゴリ 病害虫 育苗 栽培技術 湿害 台木 高接ぎ 接ぎ木 抵抗性 抵抗性品種 ピーマン 品種 防除

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