タイトル |
遮根透水シートを利用した簡易で花芽促進効果の高いイチゴ育苗法 |
担当機関 |
群馬県園芸試験場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
イチゴ仮植床に遮根透水シートを埋設し、根域や窒素の吸収量を制御することで、簡易で省力的に、ポット育苗と同程度に花芽分化の促進が可能である。また、低温暗黒処理に適する窒素含量の低い苗の養成が可能である。
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背景・ねらい |
群馬県のイチゴ栽培における花芽分化促進技術は、山上げ育苗を中心としている。山上げ育苗では、育苗地が遠く十分に管理できないため、苗生産が不安定である。そこで、山上げ育苗やポット育苗に代わる、簡易で省力的な育苗技術を開発するため、仮植床に遮根透水シートを用い、根域や窒素の吸収量を制御する育苗法について検討する。さらに、この育苗法での低温暗黒処理用苗の養成法についても検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 仮植床に遮根透水シートを埋設することにより、花芽分化の促進効果が認められ、その効果は深さ5cmが高い。(表1)
- シートの埋設は、消毒済みの圃場に幅5cmの板をベッド幅に置き、その上にシートを敷き、通路部分の土を管理機でシート内に跳ね上げる。このとき、肥料を通路に散布しておき、土と一緒に入れる。かん水はかん水チューブを利用する。
- シート内の施肥量は、速効性タイプを240mg/株(N成分)と緩効性タイプ(ロング70日タイプ)を100mg/株(N成分)程度とする。(表2)
- 低温暗黒処理用苗の養成におけるシート内の施肥量は、緩効性タイプ(ロング70日タイプ)を100mg/株(N成分)程度とする。(表3)
- 低温暗黒処理用苗の仮植時期は、6月下旬~7月上旬とする。45~60日の育苗で処理開始の8月下旬には、硝酸態窒素含量の低いコンパクトな苗となる。(表4)
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成果の活用面・留意点 |
- かん水は萎れない程度とし、特に8月中旬以降の多かん水は控える。
- この育苗法では、根量がポット育苗等に比べかなり多くなるが、定植作業上から剪根する場合には、根長は15cm以上とする。極度の剪根は活着が遅れる。
- シート内の窒素施用は、土壌ECが0.4ms/cm 以上の場合は控える。
- この育苗法は、山上げ育苗、ポット育苗の代替技術として活用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
いちご
栽培技術
施肥
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