キャベツ、ブロッコリーの種子重と出芽および生育との関係

タイトル キャベツ、ブロッコリーの種子重と出芽および生育との関係
担当機関 東京都農業試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1996
要約 キャベツやブロッコリーの市販種子を重量別に選別し、それぞれの出芽率や生育との関係を調べた結果、種子重が中庸以上のものは正常な幼植物体を高頻度に育成できるばかりでなく、上物収穫率や生育の斉一性が高まる。
背景・ねらい セル成型苗を利用した生産システムでは、播種、育苗、定植等の生産工程をかなり自動化することができる。しかし、キャベツやブロッコリー等では、種子の出芽率や出芽勢、また苗の不揃いや収穫不能株の混入等、システム化を図るうえで若干の問題が見受けられる。そこで、セル成型苗を前提とした苗の斉一化や上物収穫率の向上を図るための一助として、キャベツやブロッコリーの種子を重量別に選別し、それぞれの出芽率や収穫物の生育との関係を調べる。
成果の内容・特徴
  1. キャベツ(2品種)とブロッコリー(4品種)を用い、それぞれ1500粒から2000粒の種子を1粒ずつ電子天秤により1.6㎎から7.0㎎まで0.5㎎ごとに分別(表1)すると、いずれも正規分布するが、品種により分布の集中度(尖度)と平均重量はかなり異なる(データ省略)。
  2. 出芽率は種子重が重いものほど高まる傾向がみられる。また、出芽時における異常子葉の割合は、キャベツの場合、種子重による差は明確ではないが、ブロッコリーでは種子重の軽い区分と最も重い区分で高まる傾向がみられる(図1および図2)。さらに、それらのセル成型苗の乾物重や草丈は、種子重が重いものほど高まる傾向がみられる(データ省略)。
  3. 収穫期の生育において、キャベツの不結球株の割合は種子重が軽いものほど高まる(データ省略)。また、地上部重や結球重では、M品種のA区を除くと両品種とも処理間に明らかな差は認められない。しかし、それらの変動係数は種子重が軽いものほど高まる。さらに、種子重別の収量安定性(Z)を求めると、種子重が重いものほど高まる(図3)。
    ブロッコリーにおいては、全般に種子重が重いほど上物率の向上と収穫日が早まる傾向がみられる(表2)。なおS品種の収穫日は逆の傾向がみられるが、それらの花蕾重は種子重が重いものほど高まる(データ省略)。
成果の活用面・留意点 本試験に供試した種子は実際に多く栽培されている市販種子を用いたものである。一連の試験結果から、特にセル成型苗育苗等においてより100%近く良質で均一な苗や収穫物を得るためには、種子の大きさ等をより厳選させる必要があり、そのための専用種子の市販が望まれる。
図表1 215321-1.gif
図表2 215321-2.gif
図表3 215321-3.gif
図表4 215321-4.gif
図表5 215321-5.gif
カテゴリ 育苗 キャベツ 栽培技術 播種 品種 ブロッコリー

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる