タイトル |
チンゲンサイの作型別適品種とかん水法 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
メロンパイプハウスの後地を利用するチンゲンサイ栽培の品種は、夏どり用が「青武」、「平成」、秋どりが「長江」、冬~早春どりは「青武」が適する。最適かん水開始点は夏どり栽培がpF 2.0、冬どり栽培がpF 2.1、早春どり栽培がpF 2.4である。
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背景・ねらい |
千葉県銚子地域の夏季涼しく、冬季温暖な気候特性を活用できる品目として、ハウス半促成メロンとその後作のチンゲンサイとの組合せが有望視されている。チンゲンサイの場合、特に他産地では良品の生産が困難な8~9月および1~2月出荷が有利である。 そこで、この期間の各作型に適する品種の選定と夏どり栽培、冬~早春どり栽培におけるかん水法の検討をセル成型苗利用による移植栽培にて行なう。
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成果の内容・特徴 |
- 適品種は、7月上旬、8月上旬は種の夏どり栽培が「青武」(サカタのタネ)および「平成」(タカヤマシード)、8月下旬、9月下旬、10月中旬は種の秋どり栽培は「長江」(トキタ種苗)、11月中旬は種の冬どり栽培、12月中旬は種の早春どり栽培は「青武」である(表1)。これらの品種の特徴は、揃いが良く、葉色が濃いこと、下位節間の伸長、チップバーン(葉先枯れ)、カッピング(葉の湾曲)などの発生が少なく、首(葉身基部)のしまり、尻(葉柄基部)の張りが良好なことである(表1)。
- 最適なかん水開始点は、7月中旬は種の夏どり栽培ではpF値2.0(表2)、11月上旬は種の冬どり栽培ではpF値2.1(表3)、12月中旬は種の早春どり栽培ではpF値2.4 である(表3)。1回のかん水量はいずれも10mmとし、夏どり栽培では定植後2~3日ごとの12回、冬どりでは7~5日ごとの6回、早春どりでは3週間後および5週間後の2回である。このようなかん水法により、それぞれの作型の気象要因に適応し、生育が良く、チップバーンやカッピングの発生が少なくなる。
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成果の活用面・留意点 |
- 夏、秋どり栽培ではマルチを使用しない。夏どり栽培の遮光は定植後数日間とする。
- 11月以降の低温期のセル成型育苗では最低気温を7℃以上とする温床育苗を行なう。
- 冬~早春どり栽培では、透明マルチを行い、日中の換気、夜間の保温に努める。
- 12月中旬以降の定植では、定植後4週間、パスライトなどのべたがけを行なう。
- 夏季は株間、条間とも20cm、冬季は株間、条間とも15~20cmを標準とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育苗
栽培技術
出荷調整
チンゲンサイ
品種
メロン
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