漬け物用良食味カラシナ新品種「大山そだち」

タイトル 漬け物用良食味カラシナ新品種「大山そだち」
担当機関 神奈川県農業総合研究所
研究期間 1986~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 神奈川県伊勢原市特産のカラシナの在来種「大山菜」と「清国青菜」の交雑後代からカラシナ新品種「大山そだち」を育成した。「大山そだち」は辛味が激であり、「大山菜」より葉肉質が軟らかく、耐寒性が強く、収量も優れ、立性で収穫しやすいのが特徴である。
背景・ねらい 神奈川県伊勢原市の在来カラシナ「大山菜」は辛味が強く、特産のツケナとして古くから栽培されているが、耐寒性が弱く、葉身が褐色を帯び、萎縮しやすいこと、葉肉質がやや硬く食味が劣ること、および草姿が開性で、葉柄の地際部が地面に接することから、病害が多発し、また収穫もしにくい問題があった。そこで、「大山菜」同様に強い辛味を持ち、食味が良く、耐寒性の優れた品種の育成を行った。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過
    1986年に「大山菜」を母親に、耐寒性や葉肉質が優れる「清国青菜」を父親として交配し、その後代を系統育種法で選抜した。1991年までに育種目標の形質を安定的に示すF6系統が得られたので、1991年と1992年に特性検定試験を行った。選抜した系統は「大山菜」と同程度の辛味を有し、草姿が「大山菜」よりやや立性で、葉肉が「大山菜」より軟らかく、毛じの発生がないこと、低温期においても葉身色が変わりにくいこと等が確認され、現地における適応性も有望と判断されたので、この系統を「大山そだち」と命名して、1994年6月に品種登録出願を行った。
  2. 特性
    形態的特性:草姿は中で「大山菜」よりやや立性で収穫しやすい。葉の大きさ、葉色および葉形は「大山菜」と類似しているが、葉柄の長さおよび葉柄・中肋基部の幅が大きく、葉柄・中肋の厚さがうすい。葉面に発生する毛じはない。(表2)
    生態的特性:耐寒性は「大山菜」に比べて強く、葉身の萎縮が少ないとともに葉面の着色が少ない。抽台は「大山菜」と同程度で、9月中旬まきで3月中旬頃である。(表2)
    収量性:収量は9月中旬まきでは「大山菜」より15~20%多収である。(表1)
    食味:葉肉の辛味は「大山菜」と同程度で激である。また葉肉は「大山菜」より軟らかく、漬け物にしたときの食味の評価が高い。(表2)
成果の活用面・留意点 適応作型は秋まき栽培が最も適する。神奈川県伊勢原市特産の大山菜漬のような加工原料としての利用が望ましい。
図表1 215328-1.gif
図表2 215328-2.gif
図表3 215328-3.gif
カテゴリ あぶらな 育種 加工 からしな 新品種 耐寒性 品種 良食味

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