タイトル |
ショウガのウイルスフリー塊茎の作出と利用効果 |
担当機関 |
千葉県原種農場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
小ショウガ品種`まだれ'のウイルスフリー株を、生長点培養によって作出したところ、培養系統間に差が認められたため、優良株の選抜を行った。このように作出したウイルスフリー塊茎を用いることで、増収及び品質が向上する。
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背景・ねらい |
千葉県は、全国でも有数の小ショウガの産地であるが、さらに増収及び品質向上の技術が要望されている。そこで、主要品種である`まだれ'のウイルスフリー化を図った。
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成果の内容・特徴 |
- 生長点培養によるウイルスフリー株の作出
0.3mm大で摘出した生長点を、1/2MS培地にNAA及びBAを各0.5ppm添加した培地で液体回転培養を行った後、ホルモンフリーの1/2MS固形培地に移植することでショウガを再生できた。これをChenopodium.quinoa による生物検定でウイルスフリーを確認した。
- ウイルスフリー培養系統の選抜
生長点培養によって119培養系統(株)を作出したところ、培養系統間で生育特性に差が認められた(表1)。これらを栽培し比較検討した結果、生育、生産力に優れ、なおかつ`まだれ'本来の特性をもつ培養系統(M3-18)を選抜した。これを、`まだれ'選抜ウイルスフリー株とした。
- ウイルスフリー化効果とその持続性
`まだれ'選抜ウイルスフリー株を使用することにより以下の効果が期待できる。 1)生育が旺盛になり、茎数の増加する。また、塊茎部の肥大が顕著で、種ショウガの収量が増加する。(表2)。 2)葉ショウガ栽培では収穫本数が増加する。特に市場評価の高いLL及びL級の収穫本数の増加が顕著で、収益の増加が期待できる(表3)。 3)ウイルスフリー株の利用効果は露地作付回数が増えるに従って低下するが、露地栽培2作目までは充分効果が期待できる。
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成果の活用面・留意点 |
- ウイルスフリー塊茎は隔離網室内で維持増殖を行い、翌年露地圃場において葉ショウガ用種ショウガとして栽培する。葉ショウガ栽培にはこの露地栽培を1作目した塊茎を用いる。露地栽培3作目の塊茎はウイルスフリー化の効果が低下しているため使用しない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
しょうが
品種
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